☆シアターアップル9月公演
『アニーよ銃をとれ』
昭和58年 9月14日〜昭和58年 9月27日
| 音楽作詞 | アーヴィング・バーリン
| | 台 本 | ハーバート・フィールズ
| | 〃 | ドロシィ・フィールズ
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| | 翻 訳 | 倉橋 健
| | オリジナル訳詞 | 中村メイコ
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| | 演 出 | 岡田 敬二
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| | 音楽監督 | 甲斐 正人
| | 装 置 | 大橋 泰弘
| | 振 付 | 喜多 弘
| | 照 明 | 勝柴 次郎
| | 衣 裳 | 任田 幾英
| | 声楽監督 | 片桐 和子
| | 音 響 | 八幡 泰彦
| | 訳詞協力 | 青井 陽治
| | アニメーション | 安井 悦郎
| | 特殊効果 | 菊池 潔
| | 演出協力 | 新美 正雄
| | 演出補 | 吉村 正人
| | 音響操作 | 今村 太志
| | 照明操作 | 西村 充
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| | 制 作 | 北村 三郎
| | 〃 | 中沢 希六
| | 〃 | 古前美紀夫
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出演者連名 |
| アニー・オークリー
| 桜田 淳子
| フランク・バトラー
| 井上 純一
| チャーリー
| 花王おさむ
| ドリー・テイト
| 中村 晃子
| シッティング・ブル
| 荒井 注
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| | | 今城嘉信&
| | | ザ・コンソレーション
| バッファロー・ビル
| 池田 鴻
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| | | 大原 和彦
| | | 清水千恵子
| | | 谷川 鮎
| | | 川瀬 香織
| | | 内田 順子
| | | 佐藤 聖子
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| | | 石橋 俊二
| | | 田村 栄一
| | | 岡本 敏明
| | | あべひろし
| | | 松沢 重雄
| | | 畠山 和真
| | | 水谷 文明
| | | 廖 英明
| | | 浅田 敏行
| | | 大場 公之
| | | 風祭 右京
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| | | 田辺さつき
| | | 矢吹 弓枝
| | | 本郷莉絵子
| | | 美樹ひろみ
| | | 大川 令於
| | | 南沢 梨香
| | | 柚木かほる
| | | 小池日登美
| | | 吉岡 摩耶
| | | 高橋 美子
| | | 東 聖子
| | | 木村 恵子
| | | 大門 結花
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ものがたり
南北戦争がおわって、まだ間もないころの話である。
オハイオ州の片田舎に、アニ−・オークリーという鉄砲のうまい少女が住んでいた。
彼女は、山鳥を射ってはそれを売り、おさない弟妹を養なっていた。
アニーが住む近くの町に、バッファロー・ビルがひきいるワイルド・ウェスト・ショウ一座がやってきた。
この一座には、フランク・バトラ−という花形射手がいた。
このフランクとアニーが腕くらべをすることになり、アニーが試合に勝った。バッファロー・ビルと一座のマネージャーのチャーリーは、アニーをフランクの助手としてやとうことにした。
アニーはフランクを一目見たときから好きになった。
野育ちで男の子のようにすさまじいアニーの心のなかに、そんなやさしい恋が芽ばえていようとは、フランクは夢にも知らなかった。
弟妹をつれて、一座に参加したアニーは、フランクの気にいられるような女になろうと、まず読み書きの勉強をはじめた。
またチャーリイにすすめられて練習も、ひそかに始めた。
いつかはフランクに自分の努力をみとめてもらい、彼の関心をひこうという女心からであった。
フランクもそういうアニーのすなおな態度にだんだん好感をもち、愛情を感じるようになってきた。
ワイルド・ウエスト・ショウのライバルは、ポーニー・ビルがひきいるファー・イースト・ショウであった。
ミネアポリスで、この二つの一座の公演がかち合い、客の奪いあいになった。
バッファロー・ビルは、最後の切札として、アニーを出演させた。これは大当りをとり、アニーはスー族の酋長のシッティグ・ブルの養女にむかえられた。
だがフランクは、アニーが自分を踏み台にして利用し、スターの座に昇ろうとしているのだと誤解して、ポーニー・ビル一座に走ってしまった。
チャーリーの妹でフランクの助手だったドリーもやめていったバッファロー・ビル一座はアニ−を中心に、ヨーロッパに渡り大成功をおさめたが、宮廷や王室での特別公演が多く、勲章はたくきん買ったが、経済的には大変な赤字であった。
アニ−たちが貨物船でニューヨークにもどってきたとき、ポーニー・ビル一座は楢舞台のマディソン・スクェア・ガーデンで興行していた。しかしこの一座も、今までの借金がかさんで、動きがとれなくなっていた。
二人のビルは、おたがいに相手の成功と金をあてにして、一座の合併をもくろんだ。ポーニー・ビルはバッファロー・ビル一座の大歓迎会をホテルでひらき、フランクとアニーは再会し、喜んだ。
だが合併の話は、たがいに相手が無一文だとわかって決裂しそうになるが、ブル酋長の機転でまるくおさまった。
そのとき、今度はアニーとフランクが、どっちが世界一の射撃のチャンピオンかということで口論をはじめ、結局ニューヨーク港外のガバナーズ島で試合をして決めることになってしまった。
ガバナーズ島への渡し船のなかで、ドリーがアニーの銃に細工をしようとしているのを、チャーリーとブル酋長が取りおきえた。
二人は初めは激怒するが、やがてブル酋長は、アニーは射撃で一番になるよりフランクと結婚するほうが幸福なのだといいだし、アニーの銃の照準をドリーから取りあげてベンチで曲げてしまった。
試合では、アニーの射つ弾はみんなはずれ、アニーはあせりだした。見かねたフランクが目の銃をかすと、今度は不思議に当った。
しかし負けん気のアニーが、フランクに銃をかえし、自分の銃で再び射ちはじめようとしたとき、プル酋長はアニーの耳もとでささやいた「……負けるが……勝ちじゃ。鉄砲では男はつかまらない」
すべてを諒解したアニーは、晴れやかな顔で試合の残りを放棄し、「私の負けノー フランク・バトラーこそ世界一のチャンピオンノ」と幸福そうに宣言するのであった。
フランクとアニーは結婚し、合同した両方の一座は、二人を中心に、町から町へと華やかなショウの旅をつづけていくのであった。
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