11月16日(日)県新人戦

決勝で対戦したN中のベンチには、男子でジュニアオールスター、北信越、全中と数々の修羅場を絶妙なベンチワークで切り抜けてこられたI大先生が入られました。長く富山県中学男子のレベルアップに尽力され、出町中男子のK大監督と共に尊敬できる指導者です。

私としては、初めての直接対決。I先生は、“球技大会レベルのチームやから大したこと無いぞ”と言われながらも(目は真剣ですでに駆け引き開始だなと思いました)絶対に対策を練っておられるであろうし、場面場面によって絞りどころを変えてくるであろうと予測していました。その意味では、私のチームに対してどういったことを仕掛けてくるのか楽しみだったのと、それに対して自チームの選手たちがどれだけ対応できるかを 見極めようと思っていました。また、前評判どおりの高能力チームで、最初のゲームを見ておられた関係者の方々からN中はすごいと言われていたのでぼろ負けになっても練習でやってきたことが出せれば良いなとも思っていました。

試合前に選手には、どのような仕掛けがこようとも、ランアンドジャンプとファーストブレイクが機能すれば大丈夫だから、まずはディフェンスの切り替えを速くすること。ボールマンディフェンスは引かないこと。ボックスアウトは絶対に徹底することを確認しました。

試合は、点差が開いたところで、マッチアップ(ピックアップ)の遅れ、ボックスアウトの抜け、不用意なミスが連発し点が詰まり、詰まってからまたディフェンスが集中し、シュートが入りだして点差がつくという展開でした。こちらとしては、突き放すチャンスが何度もあり、N中としては、あと1歩で逆転できる場面が何度もありました。

N中のディフェンスは、私が見たところ、オールコートの2・2・1ゾーンプレス、ハーフコートのゾーンプレス、ポイントガードにボックスワン、1・3・1ゾーン、1・2・2ゾーンを仕掛けてきました。

プレスダウンとゾーンアタックは入念に準備しておいたので、ゾーンプレスにはまることは少なかったのですが、ガード陣の動きに切れが無く、逆サイドへのボールの展開からガードがミドルレーンへ突っ込むスピードが不足していたため、アウトナンバーを作る場面が少なかったのが残念でした。

そこで普通にセットオフェンスを開始することになるのですが、奇数系のゾーンディフェンスだったこともあり、4アウトのバランスのままでオフェンスがギャップをついて攻めていたので特に指示をすること無く選手まかせで続行させました。偶数系のゾーンになっても4アウトのままであれば通常のゾーンアタックかオーバーロードを指示するところでしたが、今回はガード陣の切り崩しが効いていました。

オフェンスに関しては、こちらのシュートが入りすぎです。これからも高確率で決まれば良いのですしそれを目指して練習しなければいけないのですが、前チームのときの北信越のようにまったく入らないゲームもあります。それでもゲームが崩れないようにしなければいけないのですが、それにはディフェンスとボックスアウトがしっかりできていることが重要なポイントになります。

また、インサイドへのパスが極端に少ないオフェンスになっていました。確かに小さいのでインサイドへパスしても即得点にはならないのですが、身体運用を利用したターンを練習し攻め込めるまでにならないといけません。インサイドアウトは、ディフェンスを崩すには最もシンプルで効果的なものです。抜きと肩入れを利用したシール、ターンシュートを徹底練習です。

ランアンドジャンプは、集中力の切れたマッチアップ遅れから裏を切られる場面が何度もありました。ボールサイドカットのボディーチェック、ジャンプツゥザボールの抜け、ボールマンプレッシャー不足から縦パスを繋がれることも止めなければいけません。

N中の選手はディフェンスプレッシャーに対して果敢に1対1を仕掛けてきました。接触にも強く体もしっかりしているため自チームの選手は何度も縦に突破されて得点を決められてしまいました。縦に切られること事態すでにディフェンスが崩壊しているのですが、ヘルプディフェンスがまったっく無い場面が多すぎました。

バックコートで2線へのパスコース遮断を徹底練習していた影響だと思われますが、フロントコートのディフェンスで2線にくっつきすぎヘルプの意識が無く、ボールマンディフェンスが破られたときに簡単にシュートに持ち込まれる場面が多数ありました。これはフロントコートのディフェンス練習が不足していたこともあります。
しかし、システムディフェンスだけに頼っていては、昨年の北信越のように高さで圧倒されていた場合絶対に不利になります。
ヘルプ・ローテーションダウンで下がるディフェンスはガードであることが多く、センターへの合わせのパスが上に上がると対応できないことが多くなります。北信越を勝ち抜くことを想定するのであればボールマンディフェンスでプレッシャーをかけた状態で足を出し、止めることができなければいけません。足の出し方は、私の頭の中にちょっと変わったものを考えているので今回のように身体能力の高いオフェンスに対したときできるよう練習してみたいと思っています。

システムを練習していないからといって、ボールマンディフェンスが切られてきた場合、ヘルプサイドからだれもヘルプがいかない、まただれもいないという場面が多数ありました。これは、こちらのディフェンスがぼけていただけなのか、I先生による策でスペースをコントロールされたのか、検討しなければいけません。こちらの オフェンスのミスから逆襲になりセットオフェンスになる前に1対1で切らることが多くヘルプの準備ができなかったこともあると思うのですが、気になるポイントなので、ビデオを見てチェックします。

60点以上取られたら完全に負けゲームです。今回はたまたまこちらのシュートが入ったことで勝ちましたが、ディフェンスが崩壊ぎみで、やりたいゲーム展開にはなっていません。ボックスアウトも練習どおりのターンで当たりにいくことができていませんでした。
バックコートのディフェンスよりフロントコートのディフェンスがメインであるべきなのですが、バックコートのディフェンスを意識した練習をしていたことによりフロントコートでしっかりしたディフェンスができませんでした。反省すべき点なのですが、練習時間が限られているためすべてに手が回りません。夏までの課題としてじっくりと取り組んでいこうと思っています。

ディフェンスは、システムや動き方も重要ですが、粘りと読みと根性が無ければいけません。オフェンスは全力でやると自由がきかなくなるので余裕を持った動きを心がけなければいけません。

キャプテンは、いろんなことを要求され、なかなかこれで良いとは言ってもらえませんが、これに屈すること無く頑張ってほしいと願っています。自分のやることだけで目いっぱいでは、良いプレーを出すことはできません。常に周囲に気を配り、声を出し、指導者の要求に応え、レベルの高いプレーをやってチームを引っ張ってほしいと思います。
駅伝の練習も大変かもしれませんが、身体を壊してはどうしようもありません。富山県を代表するポイントガードであるべきで、富山県を代表する陸上選手では無いはずです。駅伝でも頑張ってほしいですが、バスケでの走りに精彩が無いのは残念に思います。マラソンの高橋選手が食事の調整で失敗したと小出監督がコメントしていますが、食事も気をつけて体調管理には十分注意してください。
キャプテンから死んだような顔をしてプレーしていては、チームが盛り上がりません。常に笑顔でプレーできるよう心掛けてほしいと思っています。

身体運用は更に個々で追及して練習に取り組みましょう。まだまだゲームになると力が入り、無駄足が多くなっています。夏までには、だれが見ても違う動きをしていると思われるよう頑張りましょう。

バック