モーションオフェンス1

 

モーションオフェンスとはセットオフェンスで5人が簡単な約束事の元に止まることなく連続して動き、パスをつなぎながらノーマークを作ってシュートやペネトレートで攻めることであると解釈しています。この対極がナンバープレイです。ナンバープレイはシュートに至るまで5人の動きが決められているオフェンスであると解釈しています。モーションオフェンスの代表的な約束事にパスアンドラン(ボールサイドカット)やボールが無いところでのスクリーンがあります。

モーションオフェンス。この言葉を初めて聞いたのは約3年前のことでした。それまではセットオフェンスといえば3アウト2センターでウイングにボールをパスしたらヘルプサイドのセンターがハイポスト(Tの付近)にフラッシュしてハイロー又はローハイで攻めるかボールを逆サイドに回してペネトレートするくらいでした。当時は高さがあったのでセンターにしっかりファンダメンタルを指導しておけば県内で十分戦えました。しかし、私の指導している中学校では選手をリクルートできないのでバスケ部を希望する子だけ入ってきます。背の高い選手ばかり入ってきてくれません。最近はだんだん高さが無くなってきてセンターのプレイだけではセットオフェンスに限界が見えてきました。そこでアウトサイドからの攻撃が必要になってくるのですが対戦相手がしっかりとしたチームマンツーマンを指導されているとアウトサイドからのペネトレートには必ずヘルプが来るのでいいシュートが打てません。アウトサイドのシュートを打とうにもディナイディフェンスされているのでいいもらい方ができなくてシュートできない状態になります。ならばどうするか。アウトサイドからペネトレートしたときにヘルプディフェンスをさせないようボールを持っていない周りの選手が動けばいいのです。パスアンドラン(ボールサイドカット)すればカットしていった後にヘルプディフェンスのいないスペースが空きます。そこにめがけてペネトレートします。また、ウイングにボールがあるときにヘルプサイド(ミドルラインを基準にしてボールの無いサイド、ボールの逆サイド)でスクリーンをしているとディフェンスはスクリーンに気を使うためヘルプに集中できなくなります。スクリーンを使ってノーマークを作るのでは無くペネトレートに対してヘルプに行かせないためにスクリーンをするということです。指導本にモーションオフェンスでペネトレートやシュートをする前に3回以上パスを回せと書いてあります。5人が連続して動きながらパスを回すとディフェンスはどうしても自分のマークマンに寄っていく傾向があります。その中でスクリーンやボールサイドカット等をやればなおさらヘルプに対する意識が薄れてくるので1対1で攻めやすくなります。ボールを持って、さあ行くぞと構えしかも周りが止まっていればディフェンスもさあ来い、いつでもヘルプOKとなりますね。エースにボールを持たせてアイソレーションするとこのような状態になります。ディフェンスが準備万端で待ち構えているためスペースを空けたつもりでも結局シュートできません。

モーションオフェンスで動きながらパスを回すことによりディフェンスとのずれができてくるので外からのシュートやカウンター(ディフェンスがシュートを止めに出てきたところをペネトレートすること。ディフェンスが出てくる勢いを利用して攻めること)でシュートに行ける場面もできます。また、個々では単純な動きの繰り返しなのですが5人が動くと非常に複雑な動きに見え相手にスカウティングされにくい効果もあります。

今は4アウトで練習していますが5アウト、3アウトでもできます。最後は、1対1でディフェンスを破るか外からシュートを決めることができなければ得点できないので動きの練習ばかりでなく個々の選手の能力を上げることが重要です。

次回は、モーションオフェンスをゲームや練習でやってみての問題点を書きたいと思います。

 

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