ランアンドジャンプ
ランアンドジャンプについて解説します。解説といっても私が本やビデオで得たものを生徒に伝えているものです。戦術の名前は同じでも指導者によって用語の使い方も違うのでそこをご理解の上ご覧下さい。
基本的にはマンツーマンディフェンスです。私はオールコートで行いますが、ハーフコートでも行うこともできます。
目的はオフェンスにドリブルをつかせてラインに追い込み、2線のディフェンスが飛び出しミスを誘うか、3線がスティールを狙うものです。状況によってダブルチームも狙います。パスで運ばせないことが大原則です。積極的にボールを取りにいきます。しかし、簡単に攻められてしまうことも多くなります。1試合通して行うことができる体力があれば後半に必ず相手チームの足を止めることができるでしょう。私はセットオフェンスに持ち込んだ時に攻めることができないとき又は体力に優れた選手がそろったときには必ず用います。ちなみに今年は全中に行きましたが、セットオフェンスになったとき確実に点が取れるセンターがいたのでハーフコートノーマルマンツーマンで通しランアンドジャンプは練習しましたが用いませんでした。試合の入り方が悪く動きが鈍いと感じたときやオフェンスで弱気なところが見えたときに気持ちを前に出す効果を狙って使うこともあります。
◎ノーマルマンツーマンとランアンドジャンプの違い
・ ボールマンディフェンス
ノーマルマンツーではインラインに立ち、足はヒールアンドトウで構える。スタンスは足が動く限界の広さまで広げます。手はストロングサイド側の手がトレースハンド、ウイークサイド側の手は相手の視野を切るために肘を曲げて上に上がります。間合いはワンハンドアームウエイです。
ランアンドジャンプではオフェンスをディレクション(方向付け)するためボールマンの斜め横に構えます。状態によっては真横に構えます。出町ではオーバーシフトと呼んでいます。手はボールにプレッシャーを与えるため両手をボールめがけて動かし続けます。声も「ボールボールボール」と叫び続けます。間合いはできるだけ詰めていきます。相手がドリブルを始めたら抜かれてしまわないようにラングライドでつきます。
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2線のディフェンス
ノーマルマンツーでは2線のディフェンスはディナイしますが、オーバーガードしないでヘルプを中心に意識してディナイします。ペネトレートが来たら体を開いてピストルスタンスになり自分のマークマンを見失わないようにしてヘジテーション(ヘッジ)でカバーします。
ランアンドジャンプではボールサイド側の2線はパスコースに完全に手が入るようにしてディナイします。ヘルプサイド側(ボールマンディフェンスの背中側)はオープンに構えてローテーションに備えます。ディナイしている方にボールマンガがドリブルしてきたら徐々にマークマンとの距離を離しボールに近づいていきます。そして、3メートル以内に接近したときに突然自分のマークマンをすててボールマンに向かって両手を上げてダッシュします。クローズアウトと同じ要領で行います。このときにボールマンのミスを誘います。
ボールマンのディフェンスはそのまま残ってダブルチームをするか、エクスチェンジ(スイッチ)か、ローテーションになります。
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注意点
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ミスマッチになりやすい
頻繁にマークマンが入れ替わるのでミスマッチになります。ボックスアウトを徹底しましょう。
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ディフェンスはボールラインまで下がる
ボールマン以外のディフェンス全員はボールを基準にしてベースラインと平行にひいた線(ボールライン)より必ず下がる。上に返されても攻めるのに時間をかけさせるというプレスの目的に適うのでOKとします。ただし、ボールがファールラインより下がったときはノーマルマンツーマンのポジションに立ちます。
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最後の一人は、上がらないでヘジテーション
ドリブルで突破されたとき、ディフェンスの最後の一人になったなら前進(ピンチと呼んでいます)せずにヘジテーションをして時間をかせぎます。簡単にピンチすると余裕を持ってパスを出されてしまいノーマークになり簡単なシュートを打たれてしまいます。レイアップシュートを打たせないよう守るようにします。
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チャージングをとる
ボールハンドリングに自信の無い選手は下を見てドリブルしてきます。通常、ピンチに上がるとボールマンはスローダウンか驚いてパスを出しますが、下を見ている選手はそのまま突っ込んできます。ピンチするディフェンスは怖がって体を引くとファールをとられることが多いので勇気を持ってチャージングをとるようにします。
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ダブルチームになったら2・2・1
コフィンコーナーやコーナーその他ライン沿いにボールマンを追い込んでピンチにいったときにダブルチームをしかけます。マンマークでドリブルがストップしたときはスティックアンドディナイでボールマン以外のディフェンスはディナイして5秒オーバータイムを狙いますが、ダブルチームになったときには2・2.1になってパスカットを狙います。練習を重ねないとなかなかできません。
※
出町の新チームは高さが無く、点を取れるセンターがいないのでランアンドジャンプは練習しておかなければいけないと考えています。
しかし、プレスだけでは最後に勝つことができないということを忘れてはいけません。
ランアンドジャンプもしっかり練習すれば簡単に運ぶことができます。
一試合通して行うのでなくチェンジングしてやれるように練習していきたいと思っています。