前メニューへ戻ります。

1999年2月15日(月)

北国新聞(地方紙)夕刊の『野辺の送り』欄に書いたものです。

 

『野辺の送り』

ヒトを形成する細胞の数は

約六十兆個。多細胞生物な

のです。その細胞が死に、

新しいのが作られながら生

命を維持している。生は死

を含まずにはありえない。

生と死は切り離し不可能。

一体なのです。しかも一人

のヒトの体内には多数の生

命が宿る。ヴィールス・寄

生虫・腸内菌など。それら

多数の生命の総合体として

一人のヒトが生きている。

死亡率百%の中で今日を生

きているのです。私のクロ

ーンが、コピーができたと

しても、それはもう私では

ありません。私はたった一

度の尊い命を生きて、そし

て確実に死んで行くのです。

想い出しましょう、たった

一度の今だということを。

(内灘町・真宗大谷派蓮徳寺住職、藤島学陵)

前メニューへ戻ります。