1999年7月12日(月)
北国新聞(地方紙)夕刊の『野辺の送り』欄に書いたものです。
『野辺の送り』(その2)
人間は送葬を行なう。それ
も古い時代から。これは他
の生物には見られない。祖
先たちは、天体の動きを眺
め、地上の自然を眺めて、
他の生物の生と死を理解し
た。生命は死すべきもので
あること、誕生があり死が
あり、生成があり消滅があ
ることを気づいていた。す
でにネアンデルタール人も
死者を花で囲む埋葬の儀式
をもっていた。いっしょに、
葬儀を行い、自分の生と死
を味わっていたことだろう。
このような行動や考え方こそ
人間の特性である。
人間はこのころすでに
動物性から脱け出て、
「人間らしさ」を
めざしていた。現代人も、
葬儀とは何かを考えるべきではないか。
(内灘町・真宗大谷派蓮徳寺住職、藤島学陵)
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