1998年7月1日の北陸中日新聞によると、金沢市粟崎町の古物商、番匠益栄さん(1998年7月現在80才)は、古道具市などで見つけた信仰者のメモなどから、数え歌を発掘した。
番匠益栄さんご本人に許可をいただきましたので、それらの数え歌を、発表させていただきます。
【かぞえ歌】 浄念清圓
ひとつとや
人が死ぬると思うなよ 思うなよ
我が身死にゆく身をもって なまあんだぶつ
ふたつとや
不定(ふじょう)の命をもちながら もちながら
油断する間に欺(だま)し取り なまあんだぶつ
みっつとや
未来遠しと思うなよ 思うなよ
出る息入(い)らねばその場ぞよ なまあんだぶつ
よっつとや
世渡り大事にするも良い するも良い
後世の大事が一大事 なまあんだぶつ
いつつとや
いつでも聞けると思うなよ 思うなよ
命は草葉の露なるぞ なまあんだぶつ
むっつとや
無常の風の激しきに 激しきに
花も蕾(つぼみ)もみな散らす なまあんだぶつ
ななつとや
なんぼ智者でも学者でも 学者でも
後世を知らねば愚者なるぞ なまあんだぶつ
やっつとや
病(やまい)で死ねればともかくも ともかくも
不意に頓死(とんし)のあるものぞ なまあんだぶつ
ここのつとや
この世は浮世ぞ夢の世ぞ 夢の世ぞ
たのみ少ない仮(かり)の宿 なまあんだぶつ
とおとや
渡世(とせい)稼業(かぎょう)は面白く 面白く
御法義話(ごほうぎばなし)がなぜ嫌(きら)い なまあんだぶつ
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