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[正信偈本文]
五劫思惟之摂受
重誓名声聞十方
普放無量無辺光
無礙無対光炎王
清浄歓喜智慧光
不断難思無称光
超日月光照塵刹
一切群生蒙光照
[読み方]
ごこうしゆいししょうじゅ
じゅうせいみょうしょうもんじっぽう
ふほうむりょうむへんこう
むげむたいこうえんのう
しょうじょうかんぎちえこう
ふだんなんしむしょうこう
ちょうにちがっこうしょうじんせ
いっさいぐんじょうむこうしょう
[書き下し文]
五劫、これを思惟して摂受す。
重ねて誓うらくは、名声、十方に聞こえんと。
あまねく、無量光・無辺光、
無碍光・無対光・光炎王光、
清浄光・歓喜光・智慧光、
不断光・難思光・無称光、
超日月光を放って、塵刹を照らす。
一切の群生、光照を蒙る。
[本願寺派冷泉勝英氏の意訳]
ながき思惟の時へてぞ
この願、選び取りませり
かさねてさらに誓うらく
わが名よ、ひろく聞こえかし
十二の光、放ちては
あまたの国を照らします。
生きとし生くる、ものすべて
このも光のうちにあり。
[メモ]
劫→(蓮如上人の解釈)40里四方の岩を、3年に1回天人が羽衣でなでて、擦り減ってなくなる時間のこと。
摂受す→48の本願にまとめた。
名声→南無阿弥陀仏の名号が
十方→全世界。前後左右とその間の四方八方に、上下の方向。
塵刹→あらゆる世界。
群生→生きとし生きるものは、
1)無量光(量のない光)
*親鸞聖人御和讃*
智慧の光明はかりなし
有量の諸相ことごとく
光暁かぶらぬものはなし
真実明に帰命せよ
2)無辺光(届かぬところがない光)
*親鸞聖人御和讃*
解脱の光輪きはもなし
光触かふるものはみな
有無をはなるとのべたまふ
平等覚に帰命せよ
3)無碍光(妨げられない光)
*親鸞聖人御和讃*
光雲無碍如虚空
一切の有碍にさはりなし
光沢かぶらぬものぞなき
難思議を帰命せよ
4)無対光(比べるもののない光)
*親鸞聖人御和讃*
清浄光明ならびなし
遇斯光のゆへなれば
一切の業繋ものぞこりぬ
畢竟依を帰命せよ
5)光炎王光(すぐれた威力の火玉である光)
*親鸞聖人御和讃*
仏光照曜最第一
光炎王仏となづけたり
三塗の黒闇ひらくなり
大応供を帰命せよ
*蓮如上人『正信偈大意』*
「三塗黒闇の衆生も光照をこうぶり解脱をうるは、このひかりの益なり。」
6)清浄光(貪りを滅す清らかな光)
*親鸞聖人御和讃*
道光明朗超絶せり
清浄光仏とまうすなり
ひとたび光照かぶるもの
業垢をのぞき解脱をう
7)歓喜光(瞋りを滅す喜びの光)
*親鸞聖人御和讃*
慈光はるかにかむらしめ
ひかりのいたるところには
法喜をうとぞのべたまふ
大安慰を帰命せよ
8)智慧光(無知を滅す智慧の光)
*親鸞聖人御和讃*
無明の闇を破するゆゑ
智慧光仏となづけたり
一切諸仏三乗衆
ともに嘆誉したまへり
9)不断光(常に照らして断えることのない光)
*親鸞聖人御和讃*
光明てらしてたえざれば
不断光仏となづけたり
聞光力のゆゑなれば
心不断にて往生す
10)難思光(人間の思いの及ばない光)
*親鸞聖人御和讃*
仏光測量(しきりょう)なきゆゑに
難思光仏となづけたり
諸仏は往生嘆じつつ
弥陀の功徳を称せしむ
11)無称光(ことばで表現しきれない光)
*親鸞聖人御和讃*
神光の離相をとかざれば
無称光仏となづけたり
因光成仏のひかりをば
諸仏の嘆ずるところなり
12)超日月光(太陽や月の光をこえている光)
*親鸞聖人御和讃*
光明月日に勝過して
超日月光となづけたり
釈迦嘆じてなほつきず
無等等を帰命せよ