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図 |
説明 |
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大雑把なイメージで説明すると…
まず、推進力は主翼の単純な上下動で生成されています。
「何故前へ進もうとする力になるのか?」最初は理解しにくいかもしれません。団扇や扇子を扇いだら、先端を振っている方に風が来るハズだから、サイバードの羽ばたきの場合、横方向に風が来るのではないか? あるいは、鳥のように下方向へ空気を送っているのではないか? と
サイバードの主翼は真ん中に柄がついた団扇ではなく、片側に寄った所に柄がついています。その柄は主翼前方のカーボンロッドです。もし、この柄を後ろに持って来たら、サイバードは後ろへ進もうとします。団扇の柄が真ん中ではなく片側に寄っていると、団扇は捩れて柄の付いていない反対側に空気が流れようとしますね?(要確認) これが、サイバードの主翼の巧妙な原理です。 |
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(2)の動画を見てください。
主翼が捩れて上下動しています。試しにお持ちのサイバードを羽ばたかせて、真横に風を感じるか、頬を近づけてみてください。え?と思うでしょう。サイバードの主翼は、単純な上下動を利用して一方向(後ろ)に風を流すしくみになっているのです。
(※頬を近づけるにも限度はあります。往復ビンタが好きでない人は手の甲を近づけてみましょう。)
ついでに、翼の下方や上方の風も感じてみてください。最後に後方の風の流れをじっくり感じ取って下さいね。これ、重要です。 |
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(3)はハミングバード、いわゆるハチドリの羽ばたきです。(2)のサイバードの羽ばたきとソックリです。このハチドリはホバリング中ですが、(2)のサイバードと風を送る方向は画面の奥方向で一致しています。
サイバードはこんな羽ばたきシステムを利用して(1)のように飛んでいる訳です。
推進力の事がお分かりになりましたら、次は、バランスの説明に入りたいと思います。判らない人は悩んでみてください。 |
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(2)のスローモーションから、空気の流れをシミュレートしてみたくて羽ばたきのサイクルを10分割にして、各コマごとに羽根からこんな風に空気が流れるハズだという簡単な軌跡を残して、最後に10コマ分を重ねて、総合的に主翼の後流となる部分を、計測した風速の位置に合わせて等高線状に描いてみました。かなり正確さの増した主翼後流シミュレートになったと思います。色の濃い部分ほど風速が大きくなっています。(ギアやステムも動作しています(^^))時間かかりました…
そこで、頭の上の小さな丸に注目してください。これは左右の最も風速が大きくなる中心部のさらに胴体上にくる中心で、いわゆる推力の中心部ということになります。重心が目の辺りの高さですから、かなり上方にあることになります。実はこれが原因でサイバードには前転傾向が出てしまいます。 |
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(画像をクリックすると別ウインドウで拡大されます)
サイバードの重心付近を手で持って羽ばたかせると前へのめりそうになります。これが前転傾向です。では、これが飛ぶのは何故か?…
前方へリリースしようと加速した時、ピンッと上にはね上がった尾翼に風圧がかかります。この時、上体が起き上がって主翼も上向きになり、初めて前進するサイバードに揚力が生じるとともに、主翼への風圧もかかってきます。この尾翼と主翼への風圧が前転力とつり合った時、サイバードはバランスを保ち飛ぶようになります。
この理屈でいけば、スピード(対空速度)が上がってくるほど、後方回転の力が大きくなってきて、上体はさらに起き上がり、どんどん上昇傾向が強くなってきます。市販製品ではそこそこのパワーしかありませんから、そのままバク転する事は考え難いのですが、中途半端に上向きすぎて失速してしまう可能性はあります。
あくまで、ほどほどのスピードバランスを取りながら飛ばすのがサイバードと言えるでしょう。初めて自転車に乗ったときの難しさがあるかも知れません。 |
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(6)図は水平飛行中の前後回転のバランスです。
推力による前方回転の力と、尾翼と主翼が受ける風圧による後方回転の力がつり合った状態です。なお、主翼が受ける風圧の中心は推力の中心とほぼ同じだと考えられるので、対空スピードが上がるほど前転力が相殺されていきます。(それだけ機体にプラスマイナスの回転モーメントがかかってギシギシ軋みそうだとも言えますが…)
以上の事からP1を上昇させたい時は、飛行速度を稼ぐ事で機体をやや上向きにさせればOK。極力舵操作をしない事です。
下降は速度を落とす事で簡単にできますが、着陸時の速度には注意しなければなりません。 |