なんといっても夏に気持ちいいのは、麻です。汗をかいてもさーっと吸って乾かしてしまうような素材感は、ほかのものでは味わえない感触です。
　禅の言葉に「麻三斤（まさんきん）」という言葉があります。麻三斤とは、衣が一着つくれるだけの麻とのことです。中国の洞山守初禅師が「如何なるか是れ仏」という問いに対して答えたものです。「仏なんてそんな特別なものではないよ。私もあなたも着ている衣、つまり日常の中にこそほんとうに大切なものがある」…茶席の禅語早分かり（有馬頼底／主婦の友社）による解釈になるほど…と思いました。
　そういえば福井の永平寺の広間にも「麻三斤」の大きな書がありました。こんな言葉もあるくらいですから、私たちアジア人の暮らしに、麻はしっかり根付いていたことが分かります。
　ふんわり柔らかなコットンと同じくらい、さらっとした麻は大好きです。麻にシワはつきものですが、顔にも笑いジワがあるように麻にもシワはあるもの…ですよね。
　色は漂泊も着色していないような色をしています。（実際には何か加工していると思いますが…）
　特に型紙も作らず、筒状にして縫い合わせています。私の知る限り、いちばん簡単にできるスカートのかたちです、
　自分で服を縫い終えた時には、どこかへ着ていく前に必ず一度洗濯をしておきます。モノの本には服を作る前、つまり布を裁断する前に、一度水洗いしておいたほうがよいとのことですが、「待ちきれない」私は、縫いあげてから、人目にさらす前に洗います。
　夏はたくさん汗をかく代わりに洗濯の乾きも早いので、スカートとズボン２つずつあれば十分です。好きなものをほんの少し持つ贅沢。このスカートは、そんな少しのモノのリストに加わりました。

---

・RECIPE・・・・
 材料は、110センチ幅で200センチくらい。ウエスト部分を大きめに三つ折りして、ひもとゴムを通す。長方形のまま筒状にしたため、ウエストにボリュームがですぎないように10センチ間隔で裏にダーツを入れました。すそも三つ折りして出来上がり！