DATA+DIARY
……My silkroad……

 
ONE  ROAD
 <All roads  lead  to  Rome.>
   旅に出るとき、道に迷ったとき、この諺を呪文のように唱える。
 東洋と西洋を結んだシルクロード(絹の道)…その昔は、まち同士をつなぐ道に過ぎなかったかもしれない。それが、モノを運ぶ道となり、文化をも伝えるパイプとなった。
 シルクロードの隊商は、どんな思いを胸に行き来していたんだろうか?

■ EYES  OF  LIFE 

 衣食住、優先順位をつけるとしたら、食住衣だろう。そもそも順列をつけるというより三つ巴で大切なことであるはず。生活の中の基本中の基本なのに、結構いい加減だったりすることも多い。世の中には人の愛情や思い入れの感じられない食べ物や衣服、空間がなんと多いことか。
 この中国の旅では、自分を大切にしたり周りを幸せにしたりするのは、当たり前の日常生活の中にヒントがあるのではないかと気付いた。例えば、おいしいものを一緒に食べること。毎回毎回の食事だからこそ、こういう積み重ねを大切にしたい。非日常にいても、日常生活のことはかえって見えてくるもの。

 

 DIARY

■2/26 ▽上海→西安
 硬座にて20時間。鑑真号から降りて2日目。船の上では死んでいたのだ。
 「朝 油条(棒状の揚げたモノ)などなど
 「夜 チャーハン、ザーサイのスープ、豆腐入り野菜あんかけ

■2/27 ▽西安
 ◇昼 包子3つ!とスープ
 ◇夜 ごはん、青菜春雨、豆腐のあったかいの

■3/1 ▽西安→吐魯蕃(2泊の硬座)
 ずっと砂漠のなかを走っている。万里の長城の「なしくずし」みたいなのがところどころに見える。
 また駅にとまった。よく何でもないところでとまる。駅にとまるごとに「ツバラ!」といって弁当売りに来る。果物、オツマミは地域や駅によって違う。おじさんは旅のお供にザーサイ食べたり、コップにラーメン入れてお湯注いだり。
 だんだん分かってきたのは、私が旅して楽しいのは「人とのふれあい」

■3/3 ▽吐魯蕃(トルファン)
 吐魯蕃は小さくってイイまち。プラプラしてると体も心もあったかくなれる。
 ◇昼 マーボードーフ(すんごくからい)チャーハン、もやしと羊肉のいためもの。あとでハミウリ(メロンのような)も!

■3/4 ▽吐魯蕃(トルファン)
 (すごい風邪ひく)
 ここには書き切れないくらいいろんなことがあった。
 ひとつひとつの出会い。考えて、感じて。
 宗教のこと、南京大虐殺のこと、故高昌城のこと、自分のこと、これからのこと。
 ………
 体が健康なのが第一
 ◇? ニラと羊肉の麺(焼きそば風)
 ◇? シシカバブ3本(香辛料がきいておいしい!)
 ◇夕 麺と春雨(それぞれ羊肉と野菜入り)

■3/7 ▽烏魯木斉(ウルムチ)→柳園(敦煌)
 風邪はよくなりません。ここはロシアの近く。内陸部でとっても寒い。(天気予報-10度だった)
 今晩柳園(敦煌)へ向かう。
 ◇バザールで ゴマつきナン すごくかたい。
 ◇バザールで トルコピラフ(ポロ) 人参入りで、上に羊肉のフライのってる。
 ◇? サモサ 羊肉の入ったホットケーキのようなパンのフライ?!

■3/8 ▽…→柳園(敦煌)
 あと2時間で柳園に着く。どうなることやらシルクロードの旅。結構体ボロボロ。ずっと風邪ひいてる。
 ………
 敦煌に着く。あったかくて気持ちいい。マーケットぶらぶらして、やっぱりここはシルクロードだと実感。これくらいの(規模の)街が楽しい。
 ホテルのドミトリーで鑑真号のメンバーと再会!彼女、インフルエンザで寝てた。(夢の中に私出てきたんだって!そしたらほんとに来たからかなりビックリしてた)私の風邪もヤバイので気をつけなくちゃ。
 ◇ カレー味のナンとスープ(羊肉、春雨、青菜、ネギ入り)

■3/11 ▽敦煌
 明日敦煌脱出。思わぬ敦煌で長居。
(体調不良のための沈没です)
 ◇夜 ほうれん草と豚肉のいためもの、卵入り皿うどん

■3/12 ▽敦煌→西安
 とうとう「無座」で特快に乗ることになった。西安まで1日半。大丈夫。時間のみ解決してくれる。(もう悟りの境地!…結局座れたのですが)

■3/15 ▽西安
 あたしってほんと食べることが好き。
 ………
 パンを(中国)人民はザーサイと食べる。
 ………
 今、食べて寝ての生活。私って基本的にそういうふうに生きてる人間なんだろうね。
 ◇昼 すっぱいスープの中に入ってる餃子(香菜入り)
 ◇? 石焼き芋
 ◇夜 刀削麺(小麦粉を練ってまるめたものを削って麺にしてグラグラの湯の中でゆでる。スープに肉味噌と青菜、生姜、唐辛子が入ってる。ラー油も…)

■3/16 ▽西安
 中国大衆向け娯楽映画みてきた。すごい雨降ってきて帰ったら、台湾の方と部屋をシェアすることになってた。(前日はアメリカ・ボストンの女性!)
 ………
 やっててたのしいことはどこの国にいても同じ。
 Book,Art,Cinema…。ポリシー持って生活しよう。
 ぼられて腹立てたり、おかしくって笑ったり、うれしくって涙したり、当り前のこと忘れていない。
 ………
 旅行に行ってリフレッシュできるのは、清潔にしていられること。(シャワー)どんなに贅沢なことか。
 旅にはお気に入りも必要最小限しか持っていない。それでも持ち切れないほどの思い出を持っています。振り返るにはまだ早いけれど。
 ◇ あん入りちまき
 ◇ 焼き芋
 ◇ 回転焼のようなハチミツサンドのホットケーキ
 ◇ 牛肉ラーメン 牛スジとたっぷりの香菜(シャンツァイ)入り
 ◇ 包子(パオズ)1つのせいろに小さいの10個!

■3/21 ▽鑑真号にて回想
 上海で…
 ◇肉粽◇あつあつの春巻◇ワンタン入り青菜◇ナツメの包子◇パイ生地の中にポテト入ったもの◇包子!◇トマトと牛肉と卵のいためもの◇パイナップル入りチャーハン◇古老肉◇もやしいため
 ………
 日本に帰ったら現実が待ってます。
 ………
 ひとりだけどひとりじゃなかった。まわりにはいっぱい人がいる。ひとりでは生きてゆけないし、生きていない。
 明日からは新たな1日が、未来が始まっている。私には、何もみえないけれど、明らかに何かが待っていると信じている。まだまだいろんなことがある。見えない社会を見ていると、自分がどうすべきなのか、少しは分かるような気がする。
 ………
 旅はいろんな出会いがあるから楽しい。明日からは違う明日がある。ずっとずっと明るい未来がある。
 時々自分の中で精神をくじくボキッという音、ミシミシという音が聞こえる。それを修復して、人は人で強くなれる。
 人と人とのコミュニケーションは、心と心のコミュニケーション。自分のありのままをみせる。旅は実践するステップ。何かの糧になっているはずだが、生かすか殺すかは自分次第。自分を閉ざしていては何事も始まらない。この旅でまたすこーし強くなった。
 ………
 ものにこだわることも大切だけど、それだけじゃ自分を狭めているだけかもしれない。
 ………
 心に豊かであるのが、本物の贅沢だと思う。


 
 

 DATA

■DATE■ 1993.2.23→3.22
■STAY■  CHINA
      →上海 Shanghai シャンハイ
      →西安 Xian セイアン
      →吐魯蕃 Tulufan トルファン
      →烏魯木斉 Wulumuqi ウルムチ
      →敦煌 Dunhuang  トンコウ
      →西安 Xian セイアン
      →上海 Shanghai シャンハイ

□FAVORITE!
(注)このページにかぎり「FAVORITE=terrible」と解釈して!
   特に悪い意味はありません。一種の愛情表現デス。
 ・没有!
   本場中国で聞いた初めての中国語。
   「ないよ」っていう意味らしいが、
   すべてこの一言で片付く場合があるみたい(笑&涙)
   これ知らずして大陸征服ならず。
 ・硬座!
   中国で火車といえば、これでしょ!
   人気の「硬臥」なんてどうやったらとれるの?
   さらにヘビーな場合は「無座」とか?!
   ちなみに上海〜西安……烏魯木斉、ほとんど硬座でした。
 ・鑑真号(これはFAVORITE!)
   大阪〜上海を2泊3日で結ぶ船!集まるメンツも面白い!
   行きは船酔い激しく、中国大陸に着いた時にはフラフラ!
  
□I was 21 years old.
 ここまで来ると立派な旅中毒!ネパールから帰ってすぐ旅行代理店に駆けつける。「大阪→上海」の鑑真号(船)のチケット下さいって!その間、本業の学業も試験&レポートをかる〜くこなすキレモノぶりを発揮?世間じゃ就職活動始めてるっていうのに、勝負の時期に旅立つとは…。まぁ、今となっては結果オーライです。

□STYLE:Alone. But I met many ......
             Special thanks
     Kaori chan, Ako chan, Miki chan!
            :By Self produce plan
 
 

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