夜ホテルに戻ると、
ベッドに横たわって
絵葉書をしたためる。

その日の情景を
ココにあるキモチを送る。
これもまた旅をして
ヒトツの「日常」に届く。

手紙にはそんな魔法の力がある。
 


 
 

「La Defense」地区の
駅から歩いて間もない
新しいホテルでは、時折、
トイレの配管から空気が抜けるような音が
闇の中に響いた。
parisでいちばん印象深い音。
そんなBGMを聴きながら、
手紙を書いたり、
スケッチをとどめたり、
日記にもならないコトバのかけらを残したり…。

旅の夜はこうやって更けゆく。