DATA+DIARY
……Begin wander……
■ WHY ALONE? 
  人は人にパワーを与える。
こういう堂々巡りが案外世の中をつくってるのかもしれない。
 かくいう私は、初めての一人旅。
この「一人」は私にとって特別な意味を持っていた。
自分の力で動き、表現できる心地よさ…
本当はひとりじゃ何にもできなんだけどね!
…人間は強くて弱いから、人間なんだって思えてきた。
「旅」したから見えてきたことのひとつ。

 
 

 DIARY

■12/19 ▽香港でTransit
 香港の夕暮れは美しい。かすんでる。(感動のせい?!)夜にネパール入り…ということになる。ホテル探しが心配!これさえ乗り越えれば、なんとか。帰りまでの自信が湧くというものです。
 昨日の夜から後悔の嵐だったけど、香港発18:20のROYAL NEPAL機から眺めた夜景は100万ドル以上!で、初めて来てよかったって思えた。光がこっちに届かなくなるまで、ずっとずっと眺めてた。

■12/20 ▽カトマンドゥ!
 とにかく足が冷えて夕べはよく眠れなかった。朝、車のクラクションで目が覚める。なんとにぎやかな!窓の外は白い!すっかりネパールに来てしまっていた。これから何するか決めようっと。
 昨日、ネパール語ひとつだけ教えてもらった
「ダンニャバード!(ありがとう)」気持ちは万国共通だ。
 ………
 (ダルバール広場で)ほんとに人のパワーであふれかえってる。みんな生活するのに必死。街も生活の匂いであふれかえってる。
 ………
 行くときは何にも決まってなかったスケジュールもはっきりしてきた。私らしくいこう!今日1日まわってみて3weekでいっぱいいろんなことできそうって思った。でも、よく考えてみると1日1日を精一杯生きて、それに順応していくだけで大変なこと。それに何よりも自分しかないという気持ちで精一杯。今日はいっぱいいっぱい吸収して頭の中がぐちゃぐちゃ。ひとつひとつ整理していきますね。それが、私にとってはかけがえのない宝物へと結晶化していってる。
 ………
 夕方7時まで電気がつかずろうそくをともす。その方があったかい。困ったこともステキなことへとかえてくれる、旅にはそんな魅力があります。
 ………
 私には足りないものがいっぱいある!本物っていうのは目には見えないことが多いのかもしれない。

■12/21 ▽ポカラへ
 あぁ、旅は道連れ。バスはツーリストバス!ちょっとやらしい、ネパール式の豪華趣味!
 ……… 
 ダムサイドにホテルが決まって、、、ちょっと出かけてこようかな。
 German Bakeryで、シナモンロールとチャー。ひとときの休息。ポカラの街はほんとにいい。大好き。まだ着いて3時間だけど、そう思える。
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 (夜、窓からの光景…)山の斜面にあかりがあるのはそこに人が住んでるからだろう。(はじめは地平線近くまで満天の星空が広がってるのかと思った。星の光もまばゆく人家の灯りと見まがうほど…)

■12/22 ▽ポカラ
 今日はちょっとバザールまで行ってきますかな??
 ポカラはあったかいし、すごく居心地がいい。何の心配もない。牛の鳴き声、ニワトリ、すごくのどか...。こうやっているだけで幸せになれる。ボ〜っとしてても時間はたつもんだ。
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 だんだんお金に対しての価値観がかわる!今は1ルピーだって大金。ケチってる訳じゃないけど、お金って大切なんだなぁと心から思える。(もちろんお金で手に入らないものもたくさんある!)そして、時間のつかいかたが下手だとも…。日本時間を持ちこんじゃいけないんだと思う。必要なものと必要でないものとが明確に分かれる。
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 ひとり旅って「自分」なんだなって実感できる。ここにいると本当に私のしたいことやりたいことって何なのか分かるような気がする。
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 1日1日自分をつくっていくのが楽しい。何食べようか、何して過ごそうか、何処いこうか。
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 いつ眠ったのだろう。歩きすぎて足が痛い。
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 今すごくバラナシ(インド)に行きたい。たとえひどい目にあったとしても。何をそんなに焦っているのだろう。泣いても笑ってもはじまらない。

■12/23 ▽ポカラ
 どうにか朝になった。夜中にインドのこと考えてたら、ちょっと緊張して眠れなくなりました。私が本当に見たかったのはインド。ひとめでいいから、バラナシが見たい。自分をごまかしちゃいけない。トレッキングの後、バラナシに行きたい!
 ……… 
ネパールは不思議なほど日なたぼっこが似合う。
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 夕方、夕陽に輝くアンナプルナ、マチャプチャレをみた。泣きたくなるような感動がこみあげてくる。腰をおろしたまま、しばらく動けなかった。1日じゅうそうしてろって言われたら、きっとそうしていられる。

■12/24 ▽ポカラからトレッキング 
 今の私に必要なのは柔軟な思考とタフな体。
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 今日はいっぱいいっぱい心のフィルムに焼き付いたものがあります。こんなにネパールらしい風景に出会えると思わなかった。real Nepalに出会えたような気がする。段々畑、菜の花、生活する人、どれも私の思ってたネパールでした。人間どんなところでも強く生きていける。

■12/25 ▽ポカラからトレッキング
 朝、カロチャー(バター茶)とチベッタンブレッドにはちみつをつけて食す。ヒマラヤをみながら…。サイコー!
 ここでは、水も何もかもが大切な資源。生活するっていうのは、こんなことなんだ。ムダのない生活の原点だと思う。こんなholyな自然のもとで暮らしていると、生きてるってことの意味が違ってくる。
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 私の旅のモットーは余分なものを増やさないこと。1つ増えればひとつ何か処分しなければ運べない。

■12/26 ▽ポカラ
 生活している人にカメラを向けるのは大変勇気のいることです。今の私にはできません。そこで生活している空間を共有していることで精一杯。
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 これからどうするのか分からない。ただ気持ちはインドに向かっている。
 Do my best,whenever wherever. やってみること。要するにベクトルがどこに向かっているか…。
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 この界隈には半年とか1年とか旅行し続けてる人も珍しくない。旅に出るとほんとにいろんな人がいて、自分なんか何にも分かっていないヒヨコだなぁと思う。
 みんなかっこいい生き方してるなぁ。いろんな人生もってる人がいる。今日得た勇気は大きい。
 *カトマン〜ポカラまでチャリで来たという彼は、生き方すごくかっこいい。
  彼は今日トレッキングに行った。
 (初めて見かけた時THello! Are you Japanese?″って!!こうすると他の国の人と間違えた時でも相手に失礼にならないため…とか!)
 *8か月くらい放浪してる女性(23くらいって言ってた)彼女のルートは上海→シルクロード→パキスタン…インド?…→バンコク→ネパール。「歩いて回れる小さい街、ぼーっとできる風景、食べ物」。(滞在する街を選ぶ基準が自分なりにあるそう)中国のハミがよかったって!
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 やれるだけのことはやってみよう。その中で最善の努力を!どうなってもイイという勇気(ヤケクソじゃない!)

■12/27 ▽ポカラ→カトマンドゥ!
 久しぶりのHOT SHOWER。これほど世の中ありがたいものはない。夜は寒くなりそうなので、もってるもの全部着て、早く寝ることにする。

■12/28 ▽カトマンドゥ!→バイラワ⇒スノウリ
 あしたの今頃はインドなんてunblevable!夢みたい。
大使館の人に頼んで、pm2:00にvisa発行してもらえることになった。うれしい!!!まってるvisaまってる。1:25チケットも手に入った。夕方6:30にセントラルバススタンド。一歩一歩近づいてる。
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 マイナスに考えるんじゃなくって「よかった」ってプラス方向に考えないと、旅は続けられない。

■12/29 ▽バイラワ⇒スノウリ→バラナシ
 とうとうindiaに着いちゃった。24hour busはしんどかった。

■12/30 ▽バラナシ
 バラナシにいると思うと、嬉しさと不安とで眠れません。早く目が覚める。実感わかない。
 ………
 7:00が日の出のようです。
 朝に昼に夕にガンガーを臨む。
 ………
 だんだん心が丸くなってって分かる。安心するってこういうもんやったんやなぁって気がする。ここにいる間、ずっとボーっとしていよう。でも、人が多いの苦手なんだよね。
 ………
 大事件!ネパール出てから1か月しないと再入国できない???
(こんなこと小耳にはさんで、大ショック!!大パニック!!あとになって大丈夫になったって分かった!お騒がせしました)

■1/2 ▽バラナシ→スノウリ
 いよいよインドともお別れ。昨日の夜は熱が出て、吐き気もして大変だった。バスの中でよく眠って治すことにする。カレーは当分食べられそうにないので、ビスケット買う。

■1/3 ▽…カトマンドゥ!
 カトマンに着いたのが夜7:30。
 ………
 私にとってTravelingとは、サバイバルゲームなのです。自分がどこまで行けるか。

■1/4 ▽カトマンドゥ!
 今日から5日、まるまるカトマン!楽といえば楽。しかし、寒い。

■1/5 ▽カトマンドゥ!
 昨日の夜2時間おきに目が覚めた。薬飲んだ。治ったような気がする。霧の朝である。
 ………
 夕方、急に文化的生活を送りたくなって、本屋へ行った。

■1/8 ▽カトマンドゥ!
 次はシルクロード行きたくなった。いけるよ。いきたい。いこう!(旅の四段活用?)

■1/9 ▽カトマンドゥ!→香港
 (飛行機から…)霧のカトマンドゥを抜けると、ヒマラヤが連なってみえた。
(自分のこと…)また先が少し見えてきました。だんだん何か開けてくるものです。
 ………
 (香港に着いて)カトマンドゥで教えてもらった重慶(チョンギン)マンションのHappy Guest Houseに泊まる。(この建物、エレベーターからゾクゾクするような亜細亜的空気に包まれてしまう)香港は都会。スーパーに行って、眼鏡修理して、今テレビ見てる。アイスも食べた。(かなり御機嫌!)

■1/10 ▽香港
 九龍にて、午前中公園で遊ぶ。その後、繁華街ぶらぶらして、地元人ばっかりの普通の食堂で海鮮風の麺食べた。すりみごろごろ入った、薄味のもの。
 ………
 大切なものは何か、少し分かったような気がします。
 決してモノじゃないってこと。ナカミっていうんでしょうか。
 ………
 人によく思われたいってわけじゃない、自然ににじみ出ている人って確かにいる。どんな時でも堂々としていられる。男女じゃなくって、学歴じゃなくって、育ちじゃなくって…。
 自分に投資できること、いくらでもある。
 ………
 もっともっと新しい生き方、生活、時間の過ごし方、できそうな気がする。新しい何かが始まっている予感×××。

 

DATA


 
■DATE■ 1992.12.19→1993.1.10
■STAY■  Kathmandu(NEPAL)
                Pokhara(NEPAL)
                Varanasi(INDIA)
                Hong Kong

□FAVORITE!
 言葉じゃ陳腐になりすぎて…詳細は『感じて』下さい。
 ・ポカラの空気…
   アンナプルナ眺めてひねもすボーっとする。
   湖の水面(みなも)キラキラして…
 ・ガンガー…ガンジス河
   それもバラナシみるためだけに国境越えた!
   これを見ずして何を見るというのだろう。
 
□I was 21 years old.
 ありきたりの人間でいたくないって思ってた。ホントは思いっきり平凡なクセに…。学生のうちしか、長い休みとれないかもしれないことに気付いて、行きたいとことその時期の調整が最大の悩みになりつつあった。結構お気楽?!
 ところで、「いったい何してんだ〜」って、たまに心の中で叫ぶも「なるようにしかならん」という妙な悟りが開けてきたのもこの頃。

□STYLE:Alone. But I met many ......
            :By Self produce plan
 

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