DATA+DIARY
……Pure white...Wien&Praha……


■=Essay...coming soon!=■

 

 DIARY

■01/12/28 ▽小松→関西空港→フランクフルト空港→wien

 自分の中のスタンダード

 ヨーロッパへ向かう飛行機の中、街の概略を叩き込む。"歴史の重み"を感じる。多くの積み重ねがある中で、その中で自分が何を受けとめていきたいか、…を持っていないと、路頭に迷いそうである。それは、人生においても生き方においても同じこと。多くの情報の中から自分に必要なものをchoiseしていくこと。

 気候、風土、歴史、そういったものが、これから私の中に入ってくる。そして、日本人としてのアイデンティティーしか持ちえないことを、知る運命にあるのだ。

 いつでもどこでもそうだ。
 私は私なりに精一杯。
 それでよいのだ。

 地図というフィルターをとおして、ウィーン・プラハを入れる。2つのレイヤーが重なっていて、どっちがどうだったか…と混同している。まちにアイデンティティーはあるのだろうけど、それは、その空気の中へ飛び込んでいくと分かるのだろう。

 シンプルになりたくて、シンプルな場所へ行く。
 どんな場所でも、エッセンスとして、シンプルになる。
 今回の旅は後者だな。

 これまでの延長線上に、今この自分がいることを、いやがうえにも感じてしまう今日この頃。この場所へたどりついたのも、これから進んでいく場所があるということも素晴しいこと。気負うことなく、私は私で、「100%」で生きていく。

 アドルフ・ロース(建築家)は、なぜ装飾を排他したのか?私がウィーンに行くのは、そこらへんのところを確かめたいのかもしれない。

 日本という国も、私は私で大好きで、この国がもつエッセンスを、私は誇りに思っている。それでも思う。私は私で、旅したいのだ。
 
 

■01/12/30 ▽wien
 眠れず。夜はいつ明けるのだろう。
 
 

■01/12/31 ▽wien→praha
 今年最後の日、プラハへ。

 静かで穏やか。それはなぜだろう?
 

 急速に小さくなっていることを感じる。見えない何か…。押しつぶされそうになる。無理をしない。日本でバカのように働いていたことがどんどん遠くなる。
 
 どうしてあんなに歪んでしまったのだろう。
 旅をすることで、読点をうつ。
 

 ものをつくっていくことを、地に足をつけてやっていこうと思う。
 暮らしていくことを、地に足をつけてやっていこうと思う。

 建築を志した頃と同じエネルギーとパワー、熱意と情熱をもち続けることは難しい。
 

 ヨーロッパはカップルの文化という。
 

 2001年が終わろうとしている。

 暗くて寒いヨーロッパの冬。
 だからこそ、人のキモチが大切なのだろう。

 
 今、自分の持っているものを守り、大切にし続けていこうと思う。
 もう少しだけシンプルになれると思う。
 極論からいえば、もう、モノは要らない。
 欲しいのは、知恵であり、ideaであり、大いなるインスピレーションである。

 いつも視線はどこか遠くのほうを見ている。それでいいのだと思う。
 少しずつ×2、自分の中の基準ともなるべき事柄に出会ってきたような気がする。
 

 川が流れ、雪が積もり、人は生きる。
 

 湯沸かし棒のコンセントが使えると分かって急に元気になる私である。
(湯沸かし棒でお湯を沸かし、部屋でお茶が飲めるということは、この上もなく贅沢&幸せなことなのである)

 年とともにこだわりというよりは、習性、慣性がはたらくようになって、これがなくてはならない…というよりは、寂しくて絶えられないというふうになっているように思う。
 例えば、部屋でお茶を飲めるようにすること。
 あるいは、あったかい部屋にいるということ。
 静かな落ち着きとともにあるということ。
 
 

■02/01/01 ▽praha
 silverstarの喧騒を遠く耳にしながらのまどろみ。寒さの中に暮らすこと-こんなことを何度も何度も考える。アジアを旅していたときにはなかった発想。でも、日本という四季のある国で暮らすには「1/4」必要とする「知恵」のようなもの。
 さて、どう回ろうか、プラハ。

 列車でオーストリア〜プラハを抜けてきて、少しだけ地球の上でのスタンダードが見えてきたような気がする。
 ふと、これから、どう人生を進めていこうかと思う。

 モノを選ぶときの基準として、global standardとしての性能、耐久性-デザインを兼ね備えていること。多くを持ち過ぎないためには、"知恵"が必要であるということ。
 知恵はどうしたら身につくか。
 簡単なのは真似ること。ただ真似るのではなく、理由を考えつつ真似ること。あとは、自分がそうしたい方向について工夫できないかを考えていくこと。世界に出るに、こんなに小さな小さな荷物で十分暮らしていける。となると日本での、あふれんばかりの生活は一体何なのか?

 1つ1つの意味あるものたちに、惜しみなく「愛」を注いでいこうと思う。

 夜のプラハを歩くことの幻想

 朝を待ちながら、今自分が居る場所のことを考える。
 
 

■02/01/02 ▽praha

 建築や人にも華やかさというものはある。装飾だけでは表現できない。
 そのもののqualityによって醸し出されるものである。

 都市は動いている。

 空間を考えるに、自らの肉体の一部から編み出していく。

 ウィーン発プラハ→建築の成り立ち、位置付けが少しずつ分かってきたような気がする。
 アドルフ・ロースがなそうとしてきたこと。

 日本に居ては分からないことが、この場に来ると、溶け出してくる。

 旅はほんの少しでいいのだ。そして、そういった中で自ら発見することがある喜びを感じる。
 

 とにかく続けていくことだ。それは自分の意志によって続けていくことであり、信じていることで必ずあらわれてくるものでもある。
 光ある方向へ進んでいこう………。
 
 

■02/01/02 ▽praha
 急速に進んでいっている。
 自分の進みたい方向へ。
 これからミューラーハウスへ。
 その前にひと息。カプチーノを飲みながら…

 旅の哲学は、生活の知恵へとつながっている。
 軽くて丈夫で美しく保ち続けられるものをchoice&keepしていこうと思う。

 感じたように
 思ったように
 生きていく。

(ミューラーハウスを見学できることが分かって)
 来るべきものはきちんと近づいてくる。

 それは、偶然にも、地図を持たされる羽目に遭ったり、
 偶然にもインターホンがつながったり、
 いろんなことが重なっていくとこうなるのだ。
 

 小さな小さな旅の中で、なんだかもっと日本で楽しむべきこと、やるべきこと、そういったものがたくさんあることに気付いている。

 遊べるときに遊ぶ。だんだんいやでも遊べなくなるのだ。大人たちは、そういうことを教えてはくれない。

 passionやenergyは、発するべきときに沸き上がってくるもの。

 いつのまにか"建築"をめぐる旅をやっている。
 
 
 

■02/01/04 ▽praha

 たくさんの空間を体験すること。

 その場にいないと分からない、感じえないものを、バーチャルではなく、これからも続けていこうと思う。

 内側を体験することへの passionは失いたくない。
 中へ入ることは、一歩深くなることである。そういうことを大切に。多くはなくても、1つ1つの機会を大切にしていこうと思う。

 遊びつつ、学びつつ、愉しみつつ、暮らす。
 

 自分の中へ入ってくるべきものは、
 時を経て、空間を介して、
 出会うべきときに出会うものである。


 

 DATA   

■DATE■ 2001.12.28→2002.1.5
■STAY■  Austria
                      →Wien
     Czech Republic
                      →Praha

□FAVORITE!
 ・Wien>>>Prahaの車窓から見えた「スタンダード」な暮らし...大地
 ・氷点下7度の闇を舞い降りる雪の明るさと軽さ
 ・ARTを巡る散歩…Secession,Adolf loos,Wagner,Klimt.....
 ・長い夜、ソファでぼんやりと、あったかいお茶
 ・歴史の重みがあるといふこと
 ・バシリカコンサートで前の席に座ってた女の子(4歳位)の瞳 
 ・屋台のホットワイン!
 
 
□I am 30 years old.
 今、行かねば…。確かそんな気持ちで旅立ったはずだった。旅に求める意義が変わってきている。自分の"position"や"derection"について迷わなくてもよいことから発する余白は、別の好奇心によって彩られるという。これまでたくさんのことを旅の中で教えられた。今は、こういうことを重ねてきたことに対して満足している気持ちでいっぱい。次の旅のことが考えられなくなるくらい。。。今度旅に出る時は別の意味を持って旅立つような気がします。

□STYLE:Alone. But I met many ......
             Special thanks
     Iso san.....
            :By Self produce plan
 
 












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