ビリヤード事件簿

『激闘!除夜の鐘。108セットマッチ』

1997年12月1日〜12月31日

1度長丁場のセットマッチをしようということになって、自衛隊で働いている
のぶちゃん(男)と行うことになった。
ビリヤードの腕はお互いB級で、たまにますわりが出来るくらいである。
セット数は年末ということで『除夜のかね』にちなんで108セットにした。
勝利者賞は夕飯であった。

長丁場ともあって序盤はお互い適当な玉撞きになっていて展開は五分五分だった。
差ががついても5セット程度だった。
ゲームも中盤になりかけた時だった。自分がちょっと調子が悪い日があって、
ビリヤードがバタバタになっていた。切れてた。
それで一気に十数セット差がついてしまったのだ。
結局そのまま差が縮まらないまま、ゲームは終盤まで進んだ。
それでも少しずつではあるが差がちじまってはいた。

12月30日。ゲームは淡々と進みついに大詰めをむかえようとしていた。
のぶちゃんいよいよリーチである。セットカウントは

sechan 101 − 107 のぶちゃん

決着はやはり大晦日ということで次の日に持ち越しとなった。

ここまでくると気合を入れないわけにはいかない。っていうか入ってしまう。
その日は調子もよく、ますわりこそないものの、ミスらしいミスはほとんどなく
着々と自分のセット数を重ねていった。セットカウントは

sechan 105 − 107 のぶちゃん

となった。そしてむかえた213セット目。自分のブレイク。
なにか玉がポケットインして、そのセット、着々とポケットインしていく。
…7番イン。…8番イン。このときちょっとネキストが弱く、ちょっと嫌らしい
9番が残った。長クッション際に9番があり、これをコーナポケットに
入れると、手前のサイドポケットに手玉がスクラッチするような形である。
しかし、入れ事態はそれほど難しくない配置であった。
ちょっと手玉に順ヒネリを与えてサイドスクラッチをかわそうとして、
手玉と突いた。

ちょっと薄くなった。9番はなんとかインしていた。が、
ちょっと薄目から入ったぶん、手玉のコースが違ったのである。
手玉の先はサイドポケット。むなしくスクラッチ。
結局マスワリの9番でスクラッチして万事休す。のぶちゃんに凱歌があがった。
あっけない幕切れだった。そして長いセットマッチは終わった。

なにをおごらされるのだろう…。ちょっと心配である。

(おわり)