予防接種

予防接種関連ホームページへのリンクを紹介します。

予防接種スケジュールは地域によって異なります。ここでは金沢市における予防接種について記載します。赤ちゃんにとって最初の定期予防接種は、ポリオまたはBCGです。(任意予防接種ですが、ロタウイルスワクチンは6週から、Hibと肺炎球菌は2ヶ月から行えます。) ポリオは小児マヒを予防するための経口(口から飲ませる)生ワクチンです。きちんと免疫するために2回接種します。金沢市では5月と10月に保健所や公民館などで集団接種しており、日時と場所は、通知、新聞の広報、保健所への問い合わせで知ることができます。BCGは結核の予防で、金沢市では三ヶ月検診時に保健所で行っています。粟粒結核と結核性髄膜炎には明らかに有効ですから早めの接種をお勧めします。
4ヶ月頃DPT三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンの通知が来ます。百日咳は1才未満の乳児が罹患した場合、入院が必要になる病気です。ジフテリア、破傷風もまれな病気ですが、発症すると重篤で命がけとなります。早目の接種がよいでしょう。
1才を過ぎると麻疹ワクチンと風疹ワクチンの通知が来ます。麻疹は熱が長く続き、合併症の多い病気です。早目の接種が無難です。麻疹ワクチン後、1ヶ月たったら風疹ワクチンを受けましょう。

金沢市では、BCGポリオは保健所で行われます。DPT三種混合(DT二種混合)、MR2種混合(麻疹風疹)、日本脳炎の定期接種(市からの接種券の送付あり)と、Hib、肺炎球菌インフルエンザおたふくかぜ水痘などの任意接種(有料)は小児科医院等で行われます。乳児検診時に予防接種のスケジュールを相談し、必要な予防接種は早めに受けましょう。副作用などの不安な点は、遠慮なく質問しましょう。なお、有料の予防接種は自由診療となりますので、各医療機関によって費用が異なります。詳しくは、お電話でお問い合わせください。

予防接種の副作用

予防接種での副作用は、共通したものとして、接種成分に対してのアレルギー症状として接種後15分以内に、発疹や喘鳴がでることがあります。接種後しばらくの間は院内で様子を見るのが安全ですが、帰宅した場合は異常に気付いたらすぐに受診して下さい。48時間異常なければ、まず心配はいりません。各々の予防接種の主な副作用については各々の項目に記載しています。

 禁忌;予防接種を受けることが適当でない人(接種不適当者)

1. 明らかな発熱を呈している者
2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
3. 予防接種の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
4. ポリオ、麻疹及び風疹の予防接種では、妊娠していることが明らかな者
5. その他、予防接種を行なうことが不適当な状態にある者

 慎重投与;接種の判断を行なうに際し、注意を要するもの(接種要注意者)。被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、注意して接種すること。

1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有することが明らかな者
2. 前回の予防接種で2日以内に発熱の見られた者又は全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
3. 過去にけいれんの既往のある者
4. 過去に免疫不全の診断がなされている者
5. 予防接種の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者

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DPT三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風ワクチン)、DT二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風ワクチン)

DPT三種混合(DT二種混合)ワクチンは、不活化ワクチンです。3から8週間おきに3回接種して初回免疫とし、1年後にもう一度追加接種します。その後は、小学校6年生の時にDT二種混合ワクチンを追加接種します。

ジフテリアや破傷風はまれな病気ですが、重篤で命懸けの病気です。これらの菌は体内で毒を産生し、この毒が症状を引き起こします。ワクチンにはこの毒に似て毒性のないトキソイドという物質が入っており、このトキソイドを注射して毒に対して抗体をつくらせて病気にならないようにするわけです。また、百日咳は赤ちゃんが罹ると呼吸困難を起こし入院が必要となる病気です。大きい子供でもひどい咳が長く続きます。ワクチンにはこの菌の一部に似ている物質が入っており、これを注射して菌に対する抗体をつくらせて病気にならないようにするわけです。つまりDPT三種混合ワクチンには、生きている菌やウイルスは入っておらず、体がワクチンに負けるようなことはありません。副作用はこれらの物質に対する身体の反応として起こり、具体的には注射した局所の発赤、腫れ、痛み、硬結、全身反応としての発熱、不機嫌等が主なものですが、一過性で数日中に消えます。稀に(1000万人に1人程度)接種後数日から3週ごろに血小板が減少して出血傾向が出ることがあります。内出血や鼻出血があったら小児科へ受診して下さい。不活化ワクチンですので、このワクチンを接種して1週間後には他のワクチンを受けることができます。

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麻疹(はしか)ワクチン

麻疹ワクチンは、弱くした麻疹のウイルスを注射して、軽い麻疹に罹らせて本当の麻疹に罹らないようにしようというワクチンです。ウイルスの増殖にニワトリの胚細胞を用いていますので、鶏卵成分を接種してアナフィラキシーを認めた人は接種できません。他の卵アレルギーの人は医師と相談して下さい。副作用として、予防接種のあと5から12日後に軽い麻疹のための発熱を見ることがあります。5%の人に38.5℃以上、20%の人で37.5℃以上の発熱がみられると言われています。後遺症の発症頻度は50万人に1人と考えられています。任意接種になりますが、生涯免疫をつけるために、できれば10才頃に追加接種をした方が良いでしょう。このワクチンを接種して4週間後には他のワクチンを受けることができます。


風疹ワクチン

風疹ワクチンは、弱毒化した風疹のウイルスを注射して、軽い風疹に罹らせて本当の風疹に罹らないようにしようというワクチンです。発熱などの副作用は殆どありませんが、稀に(1000万人に1人程度)接種後数日から3週ごろに血小板が減少して出血傾向が出ることがあります。内出血や鼻出血があったら受診して下さい。風疹に見られる催奇形性が否定できませんので、妊娠可能な女性は接種後3ヶ月は避妊したほうが良いでしょう。このワクチンを接種して4週間後には他のワクチンを受けることができます。

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日本脳炎ワクチン

日本脳炎ウイルスはコガタアカイエカなどの蚊によってブタから人へ伝染してきます。現在、日本では毎年10人程度が発症しています。日本脳炎ワクチンは、培養した細胞で増殖させた日本脳炎ウイルスを精製して不活化したものを注射して、日本脳炎ウイルスに対する抗体をつくろうというワクチンです。初年度には、1から4週間の間にもう一度注射して基礎免疫とし、1年後にもう一度接種します。その後は数年おきに追加接種することになります。副作用として、数日以内に発熱や頭痛を訴えることがありますが、2、3日で軽快します。ごく稀にアレルギー性の脳炎を起こすことがあります。不活化ワクチンですので、このワクチンを接種して1週間後には他のワクチンを受けることができます。
以前はマウスの脳で増殖させたウイルスを使用しており、そのために副作用として脳炎が発症すると考えられたため、一時接種が中止されました。その後、現在の新しいワクチンになり定期接種が再開されました。ワクチンが中止されていたために接種できなかった人への接種を行うため、平成23年5月20日から、20歳未満の人まで、定期接種として公的補助が受けられるようになりました。

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ツベルクリン反応とBCG

ツベルクリン反応は結核に罹っているかどうかの検査です。体調に関わらず受けることができます。ツベルクリン反応が陰性であることを確認し、2週間以内にBCG接種を行います。BCGは結核性髄膜炎と粟粒結核には有効ということが証明されています。早めに受けましょう。BCG接種部位は数ヵ月にわたって腫れることがあります。引っ掻いたりしないようにして、清潔にしましょう。金沢市では3ヶ月検診を行なった時にツベルクリン反応をして、2日後にツ反の判定とBCGをしています。(ポリオの接種時期4月10月の前後は別の月に行なわれます。)

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ポリオワクチン

ポリオワクチンは、小児マヒ(急性灰白髄炎)の経口生ワクチンです。弱毒化したポリオウイルスを飲んで、ポリオウイルスに対する抗体をつくろうというワクチンです。このワクチンには3種類のポリオウイルスが入っており、3種類ともに確実に免疫をつけるため2回接種します。副作用はまずありませんが、弱毒化したポリオウイルスが腸管を通る間に突然変異を起こし強毒化し、免疫のない周りの人がポリオに感染する可能性があります。そのため、地域ごとに一斉接種がされています。
不活化ポリオワクチンは数年以内に導入されることが予定されていますが、ポリオへの感染の危険性を考えると生ワクチンを見送って不活化ワクチンを待つことは避けるべきです。地域で行われているワクチンを早めに受けましょう。

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インフルエンザワクチン

インフルエンザは秋から春先にかけて毎年流行します。インフルエンザに罹患すると、肺炎、気管支炎のほか、脳症、ライ症候群、心筋炎、中耳炎などの合併症もあって、決して軽い病気ではありません。今年のワクチンは、A2009pdm(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型を混合したものです。 インフルエンザの流行等について詳しいことは国立感染症研究所 http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlのホームページからトピックスをご覧ください。インフルエンザワクチンの増殖にはふ化鶏卵を用いますので、明らかな卵アレルギーの人は接種を避けるべきでしょう。副作用は、注射した局所の発赤、腫れ、痛み、全身反応としての発熱、頭痛、倦怠感等が主なものですが、一過性で数日中に消えます。4週間おいて2回接種することによって確かな効果がでます。不活化ワクチンですので、このワクチンを接種して1週間後には他のワクチンを受けることができます。

インフルエンザワクチンは6か月以上の年齢で接種をお勧めします。

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ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン

おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症で、主に唾液腺の腫れ、疼痛、思春期以降では生殖腺の炎症をおこし、かなりの確率(3%程度)で髄膜炎を合併し、数千人に1人は難聴になるという病気です。おたふくかぜワクチンは、弱毒化したおたふくかぜのウイルスを注射して、軽いおたふくかぜに罹らせて本当のおたふくかぜに罹らないようにしようというワクチンです。接種した人の90%程度の人は予防効果があります。予防接種をしてあると、おたふくかぜに罹っても軽くすむことが多いようです。副作用として、接種して3週間後に軽いおたふくかぜの症状(発熱や耳下腺の腫れ等)が出ることがあります。普通は2日程で軽快しますので心配はいりません。まれに(0.1%以下)髄膜炎の報告もありますので、高熱や頭痛がひどかったり、ぐったりした時は、早めに受診しましょう。このワクチンを接種して4週間後には他のワクチンを受けることができます。

ムンプスワクチンは1才以上になれば接種できます。

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水痘(みずぼうそう)ワクチン

水痘ワクチンは、弱毒化した水痘のウイルスを注射して、軽い水痘に罹らせて本当の水痘に罹らないようにしようというワクチンです。接種した人の80%程度の人は予防効果があります。予防接種をしてあると、水痘に罹っても軽くすむことが多いようです。水痘の患者さんと接触後72時間以内に接種すれば、発症を防止することができます。熱や発疹等の副作用はありません。水痘の患者さんと接触して72時間以内に水痘ワクチンを接種すれば、発症せずに済むこともあります。このワクチンには少量のエリスロマイシンとカナマイシンが含まれていますので、これらの抗生物質にアレルギーのある人は接種できません。このワクチンを接種して4週間後には他のワクチンを受けることができます。

水痘ワクチンは1才以上の水痘にかかっていない人が対象です。(免疫のある人に接種しても問題ありません。)

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細菌性髄膜炎ワクチン(Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン)

子どもの細菌性髄膜炎は殆どが4歳までに起こります。1歳未満で最も頻度が多く、日本では年に600〜800人が罹患し、約5%が死亡し3人にひとりは後遺症を残します。その原因菌は60%がHib(ヘモフィルスインフルエンザ菌)、20〜30%は肺炎球菌であり、この2種類はワクチンで予防できます。
Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの両方とも生後2か月から接種可能で、金沢市では平成23年2月1日から全額補助を受けることができます。
BCGやDPT3種混合ワクチンと接種時期が重なりますが、2か月になったらすぐに接種を開始したいワクチンです。ワクチン接種スケジュールにつきましては、かかりつけ医でご相談ください。
このワクチンを接種して1週間後には他のワクチンを受けることができます。

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ロタウイルスワクチン

乳幼児のひどい下痢を起こす原因としてロタウイルスがあげられます。1歳から3歳の幼児がよく罹患します。頻回の下痢と嘔吐を認め、脱水になり点滴が必要になることが多いだけでなく、ロタウイルスによるけいれんや脳症もまれではありません。平成23年11月から日本でもロタウイルスワクチンが導入されました。ロタウイルスには、罹患するごとに軽症化することが認められるため、ワクチンにより毒性の少ないロタウイルスの胃腸炎を経験させて、ロタウイルス腸炎を軽症化しようという理屈です。
年齢が高くなると腸重積などの副作用が多くなる可能性があるため、接種年齢は生後6週から24週までとなっています。生ワクチンのため、此のワクチン接種後4週間は他のワクチンを受けることができません。Hib、肺炎球菌のワクチンと接種時期が重なりますので、効率よくワクチンを接種するためには、同時接種を前提として2か月になったらすぐに接種を開始したいワクチンです。ワクチン接種スケジュールにつきましては、かかりつけ医でご相談ください。

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予防接種関連のホームページ紹介

東京都健康安全研究センターのホームページhttp://www.tokyo-eiken.go.jp/

★国立感染症研究所のホームページ、感染症週報 http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

★社団法人細菌製剤協会のホームページ http://www.wakutin.or.jp/

★海外渡航者のための感染症情報 http://www.forth.go.jp/