海軍・堀内豊秋大佐、バリでも善政を敷く


日本海軍の軍政担当地域ときまり、堀内豊秋大佐の指揮する海軍部隊が、北セレベスのメドナから転進しきたって軍政実施に着手するや、同部隊将兵のすぐれた紀律遵守により、全バリの治安は一日にして回復し、島民は安堵べん撫して生業にいそしむようになった。

それというのも、部隊長堀内司令のひとがらによることだが、それとともに同大佐が、一人の珍しい日本民間人、三浦襄氏に全幅的な信頼をかけ、住民統治の仕事を一切ゆだね切った為であった。