毎日系で八日放送の日曜劇場「花咲く街で」(よる9・0)は、主演女優の素直な演技でいい出来であった。
幼稚園の保母をしている美和(桜田淳子)は、市役所に勤める杉村(潮哲也)どの結婚を間近にひかえて、充実した日々を送っている。 美和の父は病没し、母の正代(白川田美)は父の親友、丸山(山内明)と再婚した。美和は、そんな母を許せない。杉村からの贈り物ときいていたウェディンクドレスが、実は母からの贈り物ときかされ、美和はその無神経さに腹を立て杉村に不信の念さえ抱く。
一方杉村も、母をかたくなに許きない美和の気持ちが理解出来ず、二人の関係にヒビが入るかに見えた。が、丸山と母とが再婚することは亡父の願いでもあつた、ときいて美和も心をひらき、二人は式をあげることになる。教会、純白のウエディングドレスに身を飾った美和、そして二人のためにオルガンを弾くのは母正代であった。
まことに単純な、そしていさか主人公の心理に飛躍のある石松愛弘の脚本ではあるが、桜田、白川が、実にさりげなく素直に演じて感動的であった。
ドラマは、もともとつくり物である。しかし、つくり過ぎて仕掛けが丸見えであったり、日常的ななじみからかけ離れ過ぎると、見ている方にすき間風が吹く。その上、テレビはまことに日常的なメディアであるから、小ざかしいわざとらしい演技をみせられるのはたまらない。その点でも、今回はすっきりした作品であった。桜田のカメラングルに配慮がみえた。舞台を大分市にした意味は別になかったようであるが、制作RKB毎日の健闘をたたえたい。(み)
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