東宝シンデレラ≠ニしてラッキーな女優デビューを飾った沢口靖子が、国民的アイドルとまで呼ばれるようになった「澪つくし」のビデオ版は、まず“純愛編”から。
時は大正十五年(昭和元年)ところは関東の東端、銚子の浜。ヒロインの古川かをる(沢口)は、藍染めの万祝(漁師の晴れ着)をまとった、りりしくたくましい青年・吉武惣吉(川野太郎)と知り合う。この時、かをるは銚子高等女学校の四年生。青年・惣吉は、銚子外川港の網元の息子。かをるは、銚子でも屈指のしょう油醸造元「入兆」の当主・坂東久兵衛(津川雅彦)の囲い者・るい(加質まりこ)の娘だった。しょう油屋と漁師は犬猿の仲。かをるが惣吉に好意を持ったとしても、それ以上の関係に発展するわけはなく、淡い初恋は、そのまま消滅するかにみえた…。しかし、この出会いはかをると惣吉の二人の人生に大きな尾をひくことになる。起伏に富んだストーリー展開で涙とユーモアと生命力の、テレビ小説久々の純愛ドラマ≠ニなった。
第1弾のビデオ“純愛編”は、かをるが、女学生から「入兆」にひきとられ(惣吉と結ばれるまでをダイジェスト版的にまとめている。
脚本はジェームズ三木、ほかに桜田淳子、柴田恭兵らが出演。沢口の異母姉役にふんする桜田が女優としての新境地を開拓する意気込みで好演しているのも特筆に値する。
以後「通命編」(十一月一日発売)「愛憎編」(十二月一日発売)といずれも120分、特別編集版で発売される。
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