それぞれ個性豊かな出演者がにぎやかに登場するコメディー。軽く、さらっと作っている。
大国鶴郎(藤岡琢也)は有名なマンガ家だが、人気は落ち目。後妻も愛想を尽かして逃げ出してしまった。家事は弟子の理介(石立鉄男)らが切り回すが、どうもうまくいかない。
そんな折、事情を知った小浪(桜田淳子)がお手伝い志願に現れた。二十一歳で剣道三段、男まさりの性格の娘だが、家事はほとんど出来ない。が、マンガ家は逆にそんな小浪を採用することにした。二回以降は、新米お手伝いがくり広げる台所、子育て奮闘記がドラマのシンとなる。
話の筋道はちゃんと通っているが、ドラマというよりタレント情報番組とも解釈できる作りだ。人気の松田聖子をはじめ中尾ミエ、入川保則、春川ますみ、鈴木ヒロミツ、柳家小さんらが次々と登場し、それぞれの見せ場を演じているからだ。
昨年、舞台「アニーよ銃をとれ」で芸術祭優秀賞を受けた桜田は、自信をつけたのだろう、男まさりという設定の成功もあって、生き生きとしている。
全体的には新味はないが、肩の凝らない娯楽劇。脚本は松木ひろし、演出は橋本信也。
(横)
|