ジャンプショットの作り方

 そもそもジャンプショット(ジャンプシュート)の定義はなんでしょうか。私はジャンプして空中でボールを頭上にセットしてジャンプの最高点で、ため(空中で一旦停止)を作ってからボールをはなすものをジャンプショットといっています。空中でためが無くボールをはなしてしまうものはジャンピングシュートといって選手にはやるなと指導しています。
 ではなぜ空中で止まるのでしょうか。それは動きながら狙う(リングとの距離と方向を測定する)より止まって狙った方が安定するからです。当たり前の話しで申し訳ありません。またボールが放れていくポイントが常に一定にする効果もあります。ジャンピングだとボールを放すポイント特に高さが一定しないため安定したシュートになりません。
 それではジャンプショットの練習にはいります。私の中学校では1年生が入ってくるとミニバス経験者ばかりですがいきなりジャンプショットが打てる選手は毎年4分の1くらいです。あとはジャンピングシュートかジャンプジョットが打てるようでも頭上にセットしてからジャンプするタイプのシュートになっています。頭上にセットしてからジャンプするとディフェンスに簡単にカットされてしまいますし、ポンプフェイク(シュートフェイク)ができなくなります。そこでジャンプしてから空中でセットするように矯正しなければなりません。
 矯正の方法に入ります。まずはボールを持たないでその場でジャンプさせます。そのとき腕を後ろから頭上に振り上げるようにして手の反動を使ってジャンプします。それができるようになったら頭上でボールを放すようにスナップするまねをします。徐々に腕を振り上げるときの腕の振りを小さくします。最後はボールを持っていることをイメージして胸から腹のほうから腕を上げてその反動でジャンプします。空中でためをつくってボールを放すことをイメージしてスナップします。ここまではどんなにドン臭い子でも30分でできるようになります。これができるとボールを持たせてます。最初はしゃがんだ状態でボールを床につけてボールと体が一緒に上がっていくようにしてジャンプします。足はステップしません。床につけたままの状態です。次に2人一組になって一人がボールを持って交代で練習します。できるようになったら次にボールを太ももにセットして手の反動を使うことをイメージしてジャンプしてためを作ってからボールをスナップします。これができるようになったらリングに向かってシュートしますが選手には体の形にこだわらせてシュートを入れることを意識させないようにします。シュートを入れようとすると必ず元の形に戻ってしまうからです。フォームを矯正しているときはシュートは入らなかったり届かなかったりするが形が良くなれば必ず入るようになると言い聞かせて練習します。
 次にステップを踏んでのシュートになりますが、このときも最初はボールを持たないところから始めます。私は基本的にインサイドステップでシュートさせます。横に移動した時に内側の足が一歩目になります。横方向に移動しながら腕を後ろに振りかぶって足のワンツー(2歩目がフロアについたとき)で腕の反動を利用してジャンプします。空中でためを作ってボールをスナップするようにします。徐々に腕のふり幅を小さくしていき最後はボールをキャッチしているイメージで行います。このときにワンツーでボールを上に上げてしまう子がいるので厳しく矯正します。その後2人で向かい合ってシューターが横に移動してパスをもらってインサイドステップ、空中でボールを放して返す練習をします。できるようになったらリングに向かいますが小さくて筋力の無い子は届きません。そこであきらめないで今は届かなくてもいいから続けるように指導していきます。ここまで約1時間で形だけは作ることができます。ワンハンドでやるときはもっと時間がかかりますがジャンプショットの形を作るだけに限ります。これは私の数少ないオリジナル練習です。皆様からのご意見お待ちしています。

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