シュートセレクション
練習日誌、掲示板に頻繁に出てくるようになったこの言葉。保護者の方やバスケットボールに最近になって携った方はよく聞くけどもなんのことだか いまひとつピンとこないという方が多いのではないでしょうか。
“ウイニングバスケットボール勝つための理論と練習法”という本の中に、“シュートセレクションとは個々のプレイヤーがゲームのなかで、いつ、フロアのどこから、どんなシュートを打つか選択することです。”とあります。
個々のプレイヤーが上記の選択した場面で打てたシュートが良いシュートセレクション、なんでも良いから打ってしまったというのは悪いシュートセレクションになります。
シュートセレクションは指導者によって差があると思いますが、チームで統一して指導しておかなければ、まずいオフェンスになってしまいます。
では私はどうかというと前チームまでは明確なシュートセレクションを指導していませんでした。前チームまではセットオフェンスを組み立てるときにセンターに対して個別指導で徹底してポストプレーを鍛えて、インサイドにボールを入れて1対1で勝負、カバーされたら外へパスしてシュートといった単純なオフェンスを目指し
、選手の能力が高かったこともありそれが通用していました。オフェンスをシンプルにしてディフェンスを強化することで勝負しようとしていました。なので過去の成績を分析するとセンターの力によって
勝敗が左右されているところがあります。全中出場時のセンターの1対1の力は過去最高です。では県選で負けてしまったときのセンターはだめだったかというとそうではありません。力や技術はあったのですが気持ちの面で弱く本来の力が発揮できなかったためにオフェンスが機能しなかったことで良い成績を残せませんでした。
さて新チームですが、従来どうりインサイドで勝負しようと思えばできないことはないのですが、残念ながら勝てるのは地区戦止まりです。北信越を勝ち抜こうとしたときにはまったく歯が立ちません。 (平成13年現在)(平成15年度のチームでは固定インサイドのプレーはあきらめなければいけません)
そこで5人が同様のプレーができて、動きながらシュートチャンスを作り出すモーションオフェンスに本格的に取り組まなければなりません。
私はモーションオフェンスで最も重要で指導の難しいのがシュートセレクションだと思います。
※現在私が考えているシュートセレクションです。
1.ボールをキャッチしたらインラインにディフェンスがいなかった(レイアップシュートが打てる場面)
・ファーストブレイクでリードパス(裏へのパス)が通って前にディフェンスがいない
・ペネトレートでディフェンスを抜いてヘルプがいない
・ディフェンスを振り切ってゴールへ向かってカット(ボールサイドカット・ブラインドサイドカット)したところへパスが通ってヘルプがいない
・バックドア、リバースカットにパスが通りヘルプがいない
・裏へシールしてループパスが通ってヘルプがいない
・その他
2.ボールをキャッチしたらインラインにディフェンスはいるが距離が離れている(ジャンプショット、セットシュートが打てる場面)
・ペネトレートからの合わせ
・インサイドの攻撃にヘルプがいって外へパス(インサイドアウト)
・ヘルプサイドのディフェンスがボールマンに寄りすぎているところへ、スキップパス
・スクリーンが決まってディフェンスとの空間が開いた
・ファーストブレイクでウイングを走りボールをキャッチしたとき自分のシュート範囲でディフェンスが離れていた
・ペネトレートで抜いたがヘルプが遠かった(ストップジャンプショット)
・その他
3.その他(攻めなければならない、攻めてほしい場面)
・ペイントにスペースがあるのを発見してシールしたところへパスが通った
・オフェンスリバウンドを取った
・ファーストブレイクで1対1になった
・ショットクロックが20秒を切った
・その他
1は分かりやすいですが問題は2の場面です。ボールをキャッチして着地してから前を向き判断をしようとしてもディフェンスに対応されて良いシュートが打てません。
余裕のあるキャッチをして目前の状況を見ながら、着地すると同時に判断ができシュートを狙い、ディフェンスがシュートを止めにきたらカウンターです。
前もって空いていることが分かっていてシュートを考えながらボールをキャッチして打つシュートとボールをキャッチしてから空いていることが分かり気を取り直してから打つシュートでは確率に差があると思います。着地前の状況判断ができなければ2のシュートセレクションはありません。理想は動きながらディフェンスと前の状況が見えていてパスキャッチ前に状況判断ができていることです。味方の動き、ディフェンスの動きもイメージできれば完璧ですがそれには相当の経験が必要です。
シュートセレクションが正しく打ったシュートは落ちても文句をいいません。
しかし、フリーのシューティングでまったく入らないのに空いているから打つというのも問題があります。言いたくない言葉ですがおまえはシュートを打つなと言われる人もいるかもしれません。
しかしそれでは勝てません。シュート練習はこれまで以上に真剣に時間をかけて取り組まなければいけません。