コーチKのバスケットボールの考え方 平成13年8月18日現在

以前アップした考え方とかぶるところがありますが、新チームの練習を開始するにあたって基本的な考え方を講義をした内容です。

オフェンス

得点を取る手段の大分類

@ ターンオーバー(パスインターセプト、ドリブルスティール、スティール)からファーストブレイク

A ディフェンスリバウンドからファーストブレイク、セカンドブレイク(特例としてシュートイン後のスローインからファーストブレイク)

B セットオフェンス(ベースラインスローインフォーメーションを含む)

この3点を3分の1ずつバランス良く得点することを目指して練習する。
簡単なシュート(レイアップ)に持っていきやすいのは@。次がA。最も難しいのがBである。
実力に差があると強いチームは@での得点が多くなり、実力が接近してくると@AよりBの場面になることが多くなる。

練習は、@を狙う練習、Aを狙う練習、Bの練習があるが、一番難しいBで得点を取るための練習がどうしても多くなってきます。

@を狙うにはプレスディフェンス(ランアンドジャンプ、ゾーンプレス)、Aを狙うにはファーストブレイクの練習(タップからブレイク、2メン等)にプラスしてトランジションを速くすることを目的とした練習(3対2から2対1、4対4チェンジザボール等)をやっていきます。

さて、問題はセットオフェンスをいかにうまく攻めるかです。
セットオフェンスには、相手ディフェンスがマンツーマンかゾーンかで攻め方が大きく違ってきます。対ゾーンにはフォーメーション基本にやってディフェンスの動きによってオプションをつけて攻めていきます。

マンツーマンを攻めるには大きくわけて2項目を考えながら攻めていきます。

それは、@スペーシング、Aカウンターです。

@スペーシング
まず5対5の状況で単純にペネトレートしようとしても周りのディフェンスにカバー(ヘルプ)されてしまいます。それをさせないようにするには、パスアンドラン(ボールサイドカット)をします。するとカットした後にオフェンスとディフェンスがいなくなるスペースができます。そのスペースにペネトレートします。ボールサイドカットした味方がディフェンスを振り切ってノーマークになればそこへパスして簡単に攻めることができます。
ボールを持ってからの優先順位は、@自分より条件の良い者にパス、Aシュート、Bペネトレート(合わせ)、Cパスアンドラン、Dパスアンドスクリーンです。それを一瞬で判断できる力をつけなければいけません。

ヘルプサイドでもペネトレートに対してヘルプにいかせないようにするために、シザースで動き続けます。

パスアンドラン、パスランアウエー、シザース等でできたスペースを使うのは、ボールマンのペネトレートだけでなく、ボールを持たない他の4人も状況判断をしてフラッシュやウイーブで使って攻めていく。以上が@のスペーシングです。

Aカウンター
カウンターとは、ディフェンスとボールマンに一瞬のずれ(ノーマークの状態)ができたときにディフェンスがシュートを止めるため必死に出てきたところをペネトレートすることを言います。ボクシングのカウンターパンチを思い浮かべてください。相手の出てきた勢いもプラスされるので威力が倍増します。ボールマンディフェンスが最も守りにくい状態です。

この場面を作り出すには3種類あります。

(1)合わせ、(2)インサイドにパス、(3)スクリーンです。

合わせとはペネトレートしたときにディフェンスがヘルプに来たところへパスを出すことです。ヘルプに行ってから戻ってくる(スイッチしたときでも1瞬ノーマークの状態ができます)瞬間に1瞬のずれができます。そこでシュートかカウンターです。

インサイドにパスはセンター(ポストマン)にペイント付近でパスを入れて1対1をさせます。センターが強力であることが条件ですが一般的にアウトサイドのディフェンスはヘルプに来ます。そこでアウトサイドにパスを出せば1瞬のずれができます。そこでシュートかカウンターです。インサイドに入れろとよく指示がでるが、こういった場面を作り出す意味もあって指示をしています。

スクリーンはダウンスクリーン(フロントスクリーン)、アップスクリーン(バックスクリーン)、サイドスクリーン(ラテラルスクリーン)等、ボールの無いところでのスクリーンプレーによって1瞬のずれを作り出してシュート、カウンターを狙います。
スクリーンにはボールのあるところでのスクリーンもあります。ピックアンドロール(インサイドスクリーン)、アラウンド(アウトサイドスクリーン)、ドリブルウイーブ(ドリブルアウトサイドスクリーン)これらは攻めのきっかけをつくるためのものでノーマークを作り出すものとは目的が違います。

スクリーンにはノーマークを作り出すという目的もありますが、ディフェンスをつってカバー(ヘルプ)にいかせないといった目的にも使えます。スクリーンをやっているところへペネトレートすればディフェンスはスクリーンに対応しようとしているのでカバーされる確立が低くなります。

これらスペーシング、カウンターの場面作りを部分的に取り出した練習をこれからやっていきます。どの場面を取り出してどういった目的でやっているのかを理解して練習に取り組んでほしいです。その部分練習を自在に組み合わせてセットオフェンスを作り上げていきます。
対マンツーマンだけでなくゾーンアタックにもここで学ぶことを応用しなければ有効なオフェンスになりません。
頭でこの考え方をしっかり覚えて練習に取り組みましょう。

ディフェンス

ディフェンスは基本的にマンツーマンです。最初にやる目標は、ドリブルペネトレートを止めることです。ボールマンだけでなく回りにいる4人も含めて5人全員で一つのボールを守るチームマンツーマンを目指します。 ボールマンはラインに向かってディレクションします。ラインはディフェンスにとって強力な味方になります。

ペネトレートが止めれるようになれば次にパスアンドランを止めるジャンプツウザボールを練習します。次にスクリーンの対応、インサイドの止め方とやっていきます。

これらを目的として部分練習をしていきます。

ランアンドジャンプも出町の伝家の宝刀として練習をやっていきます。

しかし、最も重要なのは勝つために必要な要素、ディフェンスの脚力、試合の最後まで走れる体力、ファンダメンタル、シュート力です。それがあって この考え方でやっていく練習が生きてきます。接触、ルーズボール、ぶつかり合い、等の痛みにも耐え、チャージングをとる、新しいことに取り組む勇気も必要です。
 脚力、体力をつけるには辛い、苦しいは避けて通れません。ファンダメンタル、シュート力をつけるには、反復練習をしなくてはいけません。来る日も来る日も同じ練習でつまらないです。この苦しい、辛い、つまらない 、痛い、弱気を練習で乗り越えて個人の力(1対1の力)をつけなければどんな立派な練習や考え方も絵に描いた餅で終わってしまいます。 お互いに励ましあい競り合いながら頑張って最後に楽しくゲームができることを目指しましょう。

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