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第21回異業種交流会
「企業の技術的競争力の源泉について考える〜技術経営的視点からの一考察〜」

日時:平成24年1月22日(日)10:30〜13:30
場所:金沢スカイホテル 10階
会費:2,000円(講演聴講のみは無料)
講師:金沢工業大学情報学部情報経営学科 石原正彦 准教授
演題:「企業の技術的競争力の源泉について考える〜技術経営的視点からの一考察〜」
参加者数:14名

−講師プロフィール−

東京理科大学理工学部応用生物科学科卒、大阪大学大学院医学研究科博士課程修了、協和発酵工業株式会社入社、医薬開発の基盤技術開発などを経て、 平成23年4月より情報学部情報経営学科に着任。 専門はR&Dマネジメント、特に技術経営(MOT)の特徴・課題について研究中。 もともとは分子生物学の研究・技術者。何にでも興味を持ち、探鳥や海釣りなど多趣味。


−成功企業にみる技術的競争力の源泉とは?−

 平成24年1月22日、春の訪れにはまだほど遠いこの時期に金沢では珍しく青空ものぞく天気の中、第21回異業種交流会を 金沢スカイホテルで開催しました。今回は、石原正彦先生(金沢工業大学)を講師として招き、 「企業の技術的競争力の源泉について考える〜技術経営的視点からの一考察〜」と題した講演を行いました。

 最初に米コダック社の経営破綻の事例を取り上げ、「約130年の歴史を誇るコダックは写真フィルムで一時代を築いた アメリカを代表する名門企業だったが、市場の変化への対応が遅れて結果的に破綻した。 これは、いくら技術があっても新しい収益の柱にすることは難しいという良い例。」と説明しました。 一方、セイコーエプソンがインクジェットプリンターヘッドの小型化で成功した事例を取り上げ、 「同社の場合、機械式時計の技術者の加工技術が競争力に大きく貢献した。」と、実際の成功事例の分析結果を説明しました。

 これらを踏まえて、石原先生は参加者へ「では企業における競争優位性の源泉は?」と問いかけると、参加者から様々な意見が活発に出され、 議論が白熱する場面も見られました。

 石原先生は、「一番のポイントは、自社の『中核技術』、つまりコアコンピタンスである。といっても、例えば 自分の会社の強みは?と考えても漠然としているはず。中核技術の本質を見極め明確にすることが非常に大切だ。」と、独自の視点でまとめた上で いくつかの企業をとりあげ、成功した要因やポイントを説明しました。 中でも、医療機器メーカーのテルモ社は中核技術を基礎に飛び石事業で大きく成功した例として取り上げられ、 「既存製品の課題解消、自社独自の技術、M&Aで得た関連技術などがテルモの成功したポイントである。」 と分析結果を説明すると、参加者の中には熱心にメモをとる姿も見られました。

 今後の活動について、「北陸三県の企業を観察しながら、企業競争力の源泉である”技術”の特徴や、技術をベースとした経営のあり方について理解を深めるとともに、 シンクタンクとともに技術の定量的評価を共同研究していきたい。」と締めくくり、今後も意欲的に研究に取り組んでいかれる様子がうかがえました。


 昼食会は、講師を務めた石原先生の乾杯の音頭でスタートし、豪華な料理に参加者は舌鼓をうちながら、 会員同士で自己紹介や近況を報告しあったり、名刺交換をする姿が見られました。 最後に、会社を経営する会員から「専門的なお話しではあったが、実企業の事例紹介もありとても勉強になった。 これからの会社経営に大いに参考にしたい。」との意見もあり、今回の異業種交流会も盛会のうちに終了しました。

関連リンク:金沢工業大学












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