<<< 『君は何を見る』 >>>


街では不足する酸素を求めて人々がさまよう
陰鬱な雑踏が響く中 耳を塞ぎ心を閉ざす
孤独な部屋の隅で絵本を眺め黄昏を過ごす

小さい頃からの夢 今も夢は続いているのか
その夢は今の自分が求めるものなのか
その夢が満たすものは何であるのか
その夢の中に自分が存在できるのか
その夢を信じる事で偽っているのではないのか
その夢に流され続けているのではないのか

何かが通り抜け 自分の存在を問い掛ける

このままで良いのですか それしかないのですか
このまま進むのですか その先に何を見たいのですか

日ごと繰り返し沸き起こる不安
ふとした事で思い出してしまう不安
その不安の意味は定かではないのだろう
偽りの夢にすがって不安を打ち消そうとする
そして未だ不安に怯え支配され続ける日常
淡い希望なんて不安に押し潰されてしまえ

逃げ場を探し求め優しさに触れる
優しい言葉に癒されるのは一瞬
優しさの仮面に隠された先
そこには何もありはしない
質量のない 絵に描いた優しさなど
そして自己逃避に応えるものなどありはしない

このままで良いのですね それしかないのですね
このまま進むのですね そして その先で何を見るのですか



REVENIR