DATA+DIARY
……The Andes moon……
  歩くということ 
 長い道を歩くとき、どこを見る?
 ずっと遠くにある目的地。正しいだろう。
それを見失うことなく行くには…。
 いつか山道を歩くとき、教わったことがある。
バテてハアハア言ってる私に
「自分の歩く一歩先を見て登っていくといいよ」って。
そう言われてみれば、ずっと先を見ていてしんどかった。
一歩一歩確かめるようにして歩くと
精神的にも肉体的にも楽。
そして、気が付くとゴールにたどり着いていた。
この時、歩くことにも「鉄則」みたいなのってあるんだなって実感した。
 遠くを見つめることは、時に必要であるが、
日々においては一歩一歩を大切にすること。
この旅では、実にたくさん歩く機会があって思い出した。
歩くうえでの鉄則みたいなものを。
そして、これは、生きるうえでの鉄則にも通ずるようだ。

 
 

DIARY

■8/21 ▽日本→ペルー
 カビくさいリュックをひきづり出してきて、いざ出発!ベトナムから3年。明らかに旅に対するスタンスが異なっている。自分の人生に対する迷いはずいぶん小さくなった。
 今回の旅は世界有数の遺跡マチュピチュにあいにいく。そして、ペルーを知る。衣食住さまざまな形、色に触れて感じてくる。
 近ごろ思うのはムリをしないってこと。こんな(無謀・無計画な)旅のスタイルでも。
 「普通」のことやるのって結構難しい。「普通」をちゃんとやって、満足できる自分になるのって…。人生、タイミングってあるんだなぁ。ひとつ歯車が狂うとできなくなることもある。今はこうやって自由にできる時間があって、守るべきものもfreeで…こういうのchanceっていうんだって思った。自分ではどうしようもない「環境」でも、こういうときばかりは(何かが)味方してくれることが多い。
 ………
 一人で旅する勇気はあるのに…
 ごくごく当り前のことをして自分らしくいられたら…
 道はもう決まっているのかもしれないね。
 そして、どこかで動いているのかも。
 ………
 なんていうんだろう。私は、ひとりでボーっとするのが好き。感じたこと、考えたことを心のままに受け止める。その空気に居なければ、分からない、発し得ないキモチが、私の大切にしているもの。
 Keep feeling good!!  It's my style!

■8/22 ▽クスコ
 CUZCO…着いてすぐ大好きって思える。どの場所にいてもイイ。空気が薄いっていうのも分かる。ぶらぶら、ひたすら。
 ………
 午後から馬で近郊の遺跡を回る。
 途中「馬から落馬」。笑える。(←これって正しくない日本語って紹介される例文だよね。馬が重なってるって…。地面に打ちつけられてもこのことがとっさに頭に浮かんで、青空に向かって笑ってしまった)馬に乗っているうちに、呼吸が(標高…空気の薄さに)慣れてきた。
 
■8/23 ▽クスコ→マチュピチュ→アグアス・カリエンテス
 朝3時に気持ち悪くて目が覚める。胃がおかしい。吐き気がして…(高山病?昨日落馬したせい?念願のマチュピチュに行く日だというのに。ベッドに横たわって、うつらうつらしていて、はっと気付くとドアをノックする音が…。出発の時間が迫っていた。慌てて荷物をリュックに詰めて、駅に向かう。なんとか高山列車に滑りこんだ。窓の景色を楽しむまでの余裕がない。ただただ目に入ってくるものを受け入れるだけで精一杯)
 ………
 マチュピチュ。何がどうすごいのか、ぱっと見ただけじゃ分からない。
 遺跡にひかれるのは、人の虚栄心をむき出しにしてつくったものが朽ち果てているからかもしれない。

■8/24 ▽アグアス・カリエンテス→マチュピチュ→アグアス・カリエンテス→クスコ
 (マチュピチュで)ワイナピチュ登頂!(1時間くらいで誰でも登れるけどね!)
 一歩一歩登ることの大切さ。いろんなこと考えた。
 マチュピチュ…昨日とは違う風が吹いてる。
 (登ってよかったヨ)
 やってみないと分からないことのひとつ。
 しんどい思いしても、それが素敵なら、私はしんどいこと、すすんでスル!
………

*REAL INKA TREK*→→→
 これはノンフィクション!…絶対読むべし!!

■8/25 ▽クスコ
 今日はクスコでのんびりしよう。
………
 夢のような現実。
 現実のような夢。
旅をしていると、そういうことが度々ある。
ボーダーがなくなる。
………
 私は海外に来ても、特別なことをしている訳ではない。
 見たいものを見て、ぶらぶらして、食べたいもの食べて、うろうろして、そこの日常に身を置く。

■8/26 ▽リマ
 人は何を信じているのだろうか。心の中で生きているものは?
「人はパンのみにて生きるにあらず」
………
 物乞いのこども。
 私は(簡単に)お金を与えない。
 それより自分で生きる道を見つけること、気付いてほしい。
 お金を与えることによって、ますます見えなくなってしまうのではないかな。
 少なくとも人にすがって生きることを子供に覚えさせてはいけない。
 自分で生きる自由と喜び、そういう人生の悦びを知ってほしい。
(そう願わずにはいられなかった)
………
 マチュピチュ(正確にはREAL INKA TREK)で、それまでの私は一度なくなった。
………
 待つのではなく自分から動くこと。
 動くことから生まれてくる。
………
 私の中でなにが変わり、何が続いていくのか?
 諸根源は「愛」にある。
 人を思う気持ち、思いやる気持ち。
………
 アンデスの織物の模様に込められた思い。
 土器に形づくられた思い。
 デザインは生活に対する祈りの気持ちから生まれ、育まれていた。
………
 日常の中のemptyを何かで埋めたい。
 あるいはemptyはemptyとしてとっておくか…。


 
 

DATA

■DATE■ 1999.8.21→8.29
■STAY■  Peru
                      →Cuzco→Aguas Calientes…
                      →Lima
□FAVORITE!
 ・月の光  
   「REAL INKA TREK」で、月に照らされる闇の明るさを知る。

□I was 27 years old.
 建築をワザにして働き始めて2年になる夏。7月から9月のうち5日間もらえる夏期休暇を計画的に消化すべく?!Peruに旅立つ。期間が短くっても、行きたいところに行って、そこの空気を感じられるってことは最大の幸せ。でも、ちょっぴり一人で寂しいときも…。次はハネムーンでばっちりキメてみたい!(笑)

□STYLE:Alone. Many thanks....on the road!!
             :By self produce plan
 
 

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