◇ジカン@チリオモイデバナシデキゴト@チリ◇

=Dias en Chile=

……0723Santiago……

 初めての地下鉄@サンチャゴ…ホームで電車を待ってた女性にLos heroesへの方向を教えてもらう。
 カトリカ大学駅で待ち合わせ。時間感覚が分からなくて早く着く。
 約束どおり、赤いジャケット着た松岡さん登場。地上に出て動き出すが、そういや目的もない。通りのベンチに座ってちょっぴり話す。空腹ということで、レストランにて食事をとることに。日曜日の夕暮れのサンチャゴはひんやりと人影もまばらで、あいている店もわずか。
 カスウエラ…お肉のスープ…(具もいっぱい入ったもの)とミックスサラダ、松岡さんはお肉の焼いたものにチリ特製?のタレのかかったものを。ワインはmelot種、赤のハーフボトル。
 夕方7時すぎにレストランを出る。カトリカ大学の中へすーっと入ってく。中庭を覆うモールが魚の骨みたいな構造になっている。聞けば、大学はいろいろと市民に親しまれている存在という。サッカーチームに関わっているとか、テレビ局を持っているとか。アカデミックな存在として。高尚な教育機関としての役割もさることながら、その国の品位みたいなものがあるとしたら、それはその国の人がいわゆる教養・文化に対して、いかに垣根なくすんなり入っていける環境にあるかっていうことが問われる。その点、チリは恵まれているのかも。少なくともサンティアゴにはそんな雰囲気を伺わせるものがあった。
 チリの夜は遅いという。松岡さんが気になってるチリの映画「Terra del Fuego」を観に行くことにする。通りのキオスク?で、新聞を買って映画館をチェックすることにするが、お目当ての新聞が……。一部だけあった新聞を、おじさんはその欄だけ見せてくれる。ぐらしあす。さてと映画館に着くと、フィルムが焼けてしまって観られない。とほほ。だけど、まだ他でもやってるはずと、今度こそ新聞を買ってエスタシオンセンター近くのシネマへ。
 21:30近く始まる。映画は画像と言葉の雰囲気のみで追っていく。それでも分かるものである。視覚的動物だからかな?チリの南にあるフエゴ島を舞台にした先住民と文明人?にまつわるお話。先住民の台詞には字幕が付き、ところどころ知ってるエスパニョールがあると妙にうれしかったりする。私はそんなレベルなのでした。いづこの土地でも人間の欲というのは絶えることなく、そんなこんなの繰り返しで人は歴史を重ねているのではないか?人が生まれた土地に誇りを持って生きること。先住民は昔から繰り返してきたごく当たり前の幸せみたいなものを、あっけなく奪われてしまう。地球上でそのかたちこそ違えど同様な争いがたくさんあったことと思う。その土地固有に生きる人の誇り……ほんとは意識しようがしまいが、私たちもそういった誇りはあるのだ。そういう気持ちはうっすらと分かる。旅に出てるからか、時々自分と土地を結びつける固有性みたいなものは何なのか…と焦燥にかられることもある。最近は日本の、それも石川にへばりついているけど、それがほんとに永住の土地になるか、その土地に生きる誇りみたいなものをどれだけ感じているかと言われたら、それはまだ「?」なのである。チリの空の下、そんな主題を提起されようとは…。チリだけでなく、より多くの人の目に触れてほしい作品である。松岡さんのアンテナにひっかかってただけのことはある。さすがジモティー!これはほんの一端というにはおぼつかないけど、松岡さんにはココに暮らしているから見えていることがいっぱいあるんだろうな。
 映画館を出ると日付が新しくなっていた。帰りの道すがら、サンティアゴに着いた初日なのに夜道を歩いている私って一体???ひとり旅だとこうはいかない。不案内な土地ゆえに送ってもらったけど、その帰りの方が怖かったんじゃないかって心配になる。何だか迷惑掛けに来てるとしかいいようがない。まるまる1週間もいいんだろうか?......

∴∵∴BACK to Data+Diary Chile∴∵∴