◇ジカン@チリオモイデバナシデキゴト@チリ◇

=Dias en Chile=

……0724Santiago……

 AM9:00にLosheroesのエアポート行きバス乗り場集合。時間が早かったせいか朝の出勤と重なる。朝食にと、カフェ?ファーストフード店に入る。エンパナーダといっていろんな具の入ったパイみたいなものがオススメとか。しかし、品切れ。チーズの入った揚げパイみたいなスナックをあったかい飲み物とともに。(ちなみにチリは冬)
 腹ごしらえもしたことだし、国の行事も行われるというmaipoの教会へバスで向かう。冬の朝の閑散とした通り。見たこともない海草を運ぶおじさん、ツーリストに寄ってくる子供達。そうだ!旅してたんだ!!変なところで神妙になる。コンクリートの列柱が緩やかなカーブを描いて教会から手をのばしていた。ローマのサン・ピエトロ大聖堂前広場のコロネードを思い出す。さらに内部に入る。つるっとしたコンクリートの白さが頭上にまぁるく広がっている不思議な空間体験。かと思うと、ところどころ格子をモチーフにした部分あり。どこの教会にもあるわけではないが、ステンドグラスっていうのは、その教会の象徴ではないかと思う。(それが存在しない教会はそれはそれで、純粋に陽光が降り注ぐ様は、質素ながらも可憐で美しいと思う)この教会のそのちりばめ方はいい意味でコケティッシュな感じがした。チリっていう国の愛嬌に触れたというか。コレは聖なるものに対するコトバにしては冒涜にはなりませんよね!そう言えば「チリの大人は子供みたいなところがある」というようなことを言ってったっけ?それは私から見てすれば、日本の大人が、大人たらんとして、なくしてしまったり、隠したりするような部分ではあるが…日本的大人は、そういうところで大切なものも一緒になくしてはいないか?!
 セントロ付近に戻って、いわゆる民芸市といわれる常設市場をのぞく。なぜか何も買えなかった。商品には値段もついていて値段交渉しなくても明朗会計みたいだし、かわいいものいっぱいあったんけど!
 ある街に行くと、高いところからその街を見渡してみたくなるのが、旅人の哀しい性だとずっと思い込んでた。それは征服欲とも関連があるのかもしれないけど、単に私の性格が悪いだけかもしれない。
 という訳で、サンティアゴのまちを臨むべくサンタ・ルシアの丘へ。ちょっとした坂道と階段と…。あっけなく着いた割には、遠くまで拡がる街を360度パノラマできる。天気はよいのだが、少し靄っている。こういうファジーなところは日本人の私としては違和感がない。春霞ってとこ?気持ちいい。これが冬なの?ここ数日は特段に暖かいとはいうものの、北陸人の私からすれば立派な春だ。思えば、寒さに対してかなり重装備で来てしまった。(黒のもこもこフリースのジャケットは道中かなり場違いではないかと思えた)月曜日の真っ昼間・・・ようやく街は目覚めてきたのか、下の方で小さな小さな何かが動いていた。立派な都市である。ここなら住んでも何の不自由もなさそう。コンパクトに機能的にまとまっている。それどころか、都会すぎて何かを見失ってしまいそうな感もある。もし「どこでもドア」でここに連れてこられたら、何人の人がサンティアゴと言い当てることができるか?たぶん正解を聞いて腰を抜かしてしまうだろう。チリについてサンティアゴについてあまりにも知らすぎる・・・というか、私たちはチリとどう関わっているのだろう・・・?(この件について後に日智関係について伺いました。日本のパルプは少なからずチリに御世話になっているそう+++)
 さらに眺望を求めてケーブルカーを目指す。ところが、すごい人!人!人!今の時期、冬休みらしい。門戸開かず。結局あきらめる。また来ようっと。近くでお茶でもと思ったけど、いっそのことと、海鮮市場でマリスコス!ここは昔の鉄骨を再生したスペースとして見ても興味深い。市場の人たちは意識していないだろうけど、建物、そしてその場所がこよなく愛されているのを目のあたりにすると、なんだか嬉しい。建物の寿命と耐久性からすれば当然なのかもしれないけど「再生」とはここにもあらん。さてと、これは昼食。近海でとれる海産物が勢揃いしたマリネと決め込む。フジツボとおぼしきものあり。内は紫色の子持ちで一見気持ち悪いけど、意外といける。
 その後、モールでインド展見学。どうして地球の裏側まで来て、インドなのか?これも縁ってとこだろう。モールの正面から差し込む光の加減で、夕暮れが近いことを悟った。1日って早い。飛行機のリコンファームを思い出す。メトロの公衆電話?でオフィスに電話する。松岡さんは仕事のtelを。留守にすることで用件がたまったりしているのなら、なんとお詫びをしていいのやら。
 それでも、今宵はショータイムありのお楽しみディナー!!!まだ時間があるので、バスに乗って、アート系専門書などを扱う書店へと。大きな通りから少し入ったところにその店はたたずんでいた。本は、天井までびっしりと並び、さらにうず高く積み上げられてもいる。スペイン語圏だから、スペイン等で出版したものを揃えているのか、かなりの充実ぶり。チリの住宅に関する本をぱらぱらとして、建築雑誌も目を通す。勤め帰りのインテリさん?とか学生とおぼしき方とかが、真剣にそして思い思いに本を見ている。店内いっぱいにラジオ放送が聞こえ、それがどうもコントみたいなのだ。お店の人も突如笑いの渦に巻き込まれている。国民性をかいま見たような…(笑)もう一軒書店を梯子して、まちなかへ戻った。
 メトロへアクセスする地下道のベンチに腰掛けて世間話。途中でバイオリン弾きのおじさんが演奏を始める。BGMにしておくには勿体ない腕前。どこか耳に覚えのあるクラシック曲も。楽団の方だろうか。彼がどんな思いでココで演奏しているのか、私には知る由もない。生活のためかもしれないし、単なる息抜きかもしれない。彼がココでこうやって弾くことで、行き交う誰かを勇気づけたり、あるいは和ませたりすることもあろう。音楽ってのは生きる希望をかたちにした芸術。ココロの中に音楽がある限り、人は生きていくもんだなぁとも思う。
 どのくらい話しただろうか?夜もイイ頃合に更けてきて、いよいよお待ちかねの…である。チリをはじめとしたこちらの歌と踊りに酔いしれ、チリ料理とワインでこれまた酔いしれようという魂胆である。ワインはタラパカの赤(カベルネ…種)。ごく上等のものだ。ステーキにケサード、サラダ。ケサードとはお肉の炭火串焼のことで、ホームパーティーでもお馴染みとか。そしてパーティーといえば踊り…!こちらがラテン系たるゆえんはこのへんにあるのか?(本末転倒?)
「今の日本人がなくしてしまったのは、例えば日曜の昼下がりなんかに家族・友人たちで踊るようなことじゃないかなぁ」大袈裟かもしれないけど、人は踊るために生きてきたんじゃないのか…?私たちは「踊り」を忘れてしまってはいないだろうか?生きてくってことは、案外そんなことで成り立っているような気がする。
 アーバンライフ@サンチャゴを締めくくるにふさわしい宴でした。明日からはこのまちをしばし離れます。

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