| １０ｍＦＭとは |
●28MHzと29MHz
まず10mFMは、無線局免許状によると電波の型式は「F3」、周波数は「28.85MHz」と記載されています。
一般的に言う「28MHz帯」に含まれますが、28MHzではなく29MHzと言います。
それでは、なぜ免許状ではF3、28.85MHzとなっているのに29MHzと言うのでしょう？
単に小数第一位を四捨五入して言っているのではありません。（笑）
これは、総務省告示「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」、
いわゆるバンドプランを見るとわかります。
HF帯（便宜上、1.9MHz〜28MHz）の中でFMの使える範囲は、29.00MHz〜29.30MHzです。
ゆえに28MHz帯のFMを特に「29MHzFM」と言っています。（29.60MHzやレピーターも使えます。）
そしてみなさんが昔勉強した、あの式の登場です。
λ＝300／f
ただし、λ：波長[m]、f：周波数[MHz]とします。
29MHzの場合、300／29＝10.34482…
≒10
∴29MHzFMを「10mFM」と言っています。
●HF帯の中の10mバンド
HF帯と言うとまず始めにどこのバンドを思い浮かべるでしょうか？
おそらく7MHz／21MHzが浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
しかしHF帯のアマチュアバンドは、1.9／3.5（3.8）／7／10／14／18／21／24／28MHz
があります。
（注意：10／14MHzは2級アマチュア無線技士以上、1.9／18MHzは3級アマチュア無線技士以上の資格が必要です。）
ここで、HF帯はかなり広い範囲であることがわかります。
このため、電波の飛び方に応じてHF帯を2つに分けるとわかりやすくなります。
一般的に10MHzを境にして上のバンドをハイバンド、下のバンドをローバンドと言っています。
ローバンドは、日中はおもに国内（近距離）・夜間は国内（遠距離）／海外と交信ができ、
ハイバンドでは、日中はおもに国内（遠距離）／海外・夜間はほとんど交信ができなくなります。
（注：上記は大まかに解り易く説明したため、実際は各バンド及び季節等で伝搬状態が変わります。）
上の説明からすると、10mFMとは一体どんなバンドでしょうか？
10mFMは日中しか交信できなく夜になるとまったく交信ができないバンドという感じがしますが
それは大きな間違いです。もし、何処も聞こえない時でも近く（例えば県内）にたくさん仲間がいます。
10mバンド（28MHz帯）はHF帯の中で一番季節によって変化のあるバンドと言ってもよいでしょう。
春は、海外が主（近距離・遠距離とも）／国内は遠距離。
春から夏、国内の近距離が主／国内の遠距離。（この時期が一番賑わい、忙しい時期。）
夏は、国内の遠距離ならばほぼ毎日のように聞こえる。
（国内の近距離が聞こえると要注意。大オープンもあるかも？！）
夏から秋、国内の聞こえてくる頻度が低くなり海外が聞こえ始める。
秋は、海外の遠距離と交信可能。（南米など）
冬は、国内・海外とも少し休憩。（毎年正月前後は、なぜか国内の遠距離が聞こえる。）
冬から春、ほぼ海外だけ。（DXが好きな人はこの時期が旬。東南アジア・北米・ヨーロッパなど。）
29MHzはFMで世界各地と交信できるバンドです。コンディションがよければパワーもさほどいりません。
説明はこのあたりで終わりにして、あとは皆さんが交信して楽しんでください。
グッドラック
●ちょっとワンポイント！！
1）現在9エリアは全国的にみてかなり要求度が高いです。
数年ほど前には、ほとんど出る人がいませんでした。これからがチャンスです。
国内の近距離（特に1・2エリア）が聞こえると国内のコンディションの中でもかなりよい状態です。
アンテナもダイポールやホイップでQRP（5W以下）運用も十分可能でしょう。
2）6エリアや8エリアはよく聞こえてきます。何回か交信しているうちにすぐに友達になれます。
皆さん、たくさんの友達を作ってください。
3）「ホニヤラホニヤラ」とは何のことかわかりますか？
それは、この29FMモードのバンドを、東南アジア方面と思われる所でこの周波数を仕事?で使っている
人達が使っている言葉がホニヤラホニヤラと聞こえることから通称ホニヤラホニヤラと言っています。
中国語？マレー語？インドネシア語？どこの言葉なのかわかりません。
本来ならば、使っているところをじゃましてはいけないのですが、
（28MHzにおけるアマチュア業務は二次業務ではないので、基本的には遠慮は不要ですが…）
どうにもなりませんので使ってもさしつかえないと思います。
特に、けんかを売るようなことがなければ大丈夫でしょう。
29MHzFMと144MHz/430MHzの比較
29MHzFMのナローとスーパーナロー
29MHzFMのレピーターとデジピーター
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