29MHzFMのナローとスーパーナロー |
●「ナロー」って何?「スーパーナロー」って何?
29MHzFMにおける「ナロー」と「スーパーナロー」とはどういうことでしょうか?
これは占有周波数帯幅(周波数偏移)のことを指しています。
ナローは周波数偏移が±5kHzのFM、スーパーナローは周波数偏移が±2.5kHzのFMのことです。
ちなみに電波の型式は、いずれも「F3」となります。
スーパーナローは、29MHzFMの周波数の割り当て範囲が合計300kHzと狭く、
慢性的な周波数不足となっていたため、先輩諸氏によって
狭い占有周波数帯幅で運用できるように考案されたものです。
ちなみにFT-100シリーズでは、「デヴェーション」という設定項目で設定可能です。
●ナローの例
29.200MHzナローで送信すると、29.200MHz±5kHzの範囲内で電波が出ています。
(29.195MHzから29.205MHzの範囲です。)
ここで、10kHzと20kHzステップのときを考えてみましょう。
29.200MHzナローで送信している人、29.210MHzナロー、29.220MHzナローで受信している人がいます。
29.200MHzで送信している人は、29.195MHzから29.205MHzの範囲で送信しています。(下図の[1])
29.210MHzで受信している人は、29.205MHzから29.215MHzの範囲で受信しています。(下図の[2])
29.220MHzで受信している人は、29.215MHzから29.225MHzの範囲で受信しています。(下図の[3])
そうなると、29.210MHzで受信している人は、29.205MHzまでが範囲になるため
29.205MHzで重なってしまうため混信してしまいます。(下図の[2])
結果、ナローの場合、20kHzステップで交信すると混信がなく使えます。
(例えば、下図の[1]と[3]の関係。)
20kHzステップの場合、もちろんスーパーナローも使えます。(下図の[4])
[1]
[2]
[3]
[4]
±5kHz
±5kHz
±5kHz
±2.5kHz
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┌───┐
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29.190 29.195
29.200 29.205 29.210 29.215
29.220 29.225
29.230 29.235 29.240
29.245
●スーパーナローの例
スーパーナローの場合は、周波数偏移が±2.5kHzのため29.20MHzで送信している人は
29.1975MHzから29.2025MHzとなります。(下図の[5])
29.21MHzを受信している人は、29.2075MHzから29.2125MHzの範囲で受信しています。(下図の[6])
29.2025MHzと29.2075MHzでは5kHzの差があり、重なる所がないため混信しないことになります。
結果、スーパーナローの場合、10kHzステップで交信すると混信がなく使えます。(例えば、下図の[5]と[6]の関係。)
特徴は20kHzステップに比べ、たくさんの局が出れることになります。
[5]
[6]
±2.5kHz
±2.5kHz
┌───┐
┌───┐
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29.190 29.195 29.200 29.205
29.210 29.215 29.220
.1925
.1975 .2025 .2075
.2125
.2175
●周波数偏移による住み分け?
29MHzでは混雑時に有効に周波数を利用するため、ルール的なものがあります。
ただしこれは慣習であって、法に基づくものではありません。
29.000MHz〜29.100MHz
スーパーナローの推奨範囲
29.100MHz〜29.200MHz スーパーナローおよびナローの共存範囲
29.200MHz〜29.300MHz
ナローの推奨範囲(ワイドとの共存可。事実上スーパーナローも可。)
ワイドとは、周波数偏移が±5.0kHzを超えるFMのことです。
最近、スーパーナローの無線機が増えつつあります。
しかし、どちらが良いかの判断は難しいです。
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