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MISAKO Interview

§小谷美紗子=『The Stone』と思われてもいいくらいの演りたかった音楽です§

以下の文章は、キョードー北陸の月間EEからのインタビュー記事を引用したものです。


●:小谷美紗子



◆「プロになって歌を唄いたい」という夢を掴んだ上で約1年間を過ごしたわけですが、かなり忙しくて大変だったでしょうね?
●(笑)はい。キャンペーンがとにかく大変で――こういう風に取材を受けたり、ラジオに出たりすることは全然楽しいことなんですけど、「ここでは絶対弾きたくはないし唄いたくない」ってところでも演らなければいけなかったし。


◆いい感じでデビューを果たしたものの、プロというのはそういうシチュエーションでも演らなければいけないものだと?
●とても歌を聴く状態じゃない場所なのに、ラジオ局が絡んでいるからどうしても演らなくちゃいけなかったり…それで凄く悩んだりしましたけど、とりあえず1年はどんなことでもやろうと思って。で、やってから、文句を言ってやろうと思ってやってました(笑)。


◆(笑)大変でしたね。でも、小谷さんの評価として、「天才的な才能を持っている」という言葉を多く耳にしましたけど、そういうリアクションが勇気になったりしませんでしたか?
●たとえば、ファンの人からの手紙の多くには、「最初に聴いた時にはドン底に突き落とされるような感じがしたけど、何度も聴いて行く内に前向きに考えて行こうという気持ちになった」という意見が凄く多くて。で、それは私が音楽を通して求めていることだったりして――凄くキツい歌でも、常に前向きに書いているつもりだし。で、そういう意見で、「ああ、自分の曲には、そういう力があったんだな」って再確認が出来ました。


◆なるほどね。で、忙しい中で作り上げたであろう、待望の2ndアルバム『i』ですが、9曲の収録曲の中で以前からのストック曲はあるんですか?
●あのね、『エリート通り』と『ハイ、まずわたしから』が前に作っていた曲で、それ以外曲は無かったんです(笑)。


◆ということは、新曲を作らざるを得なかったという(笑)?
●そう(笑)。だからメチャメチャ大変でノイローゼになりそうでした。


◆(笑)自分の才能が枯れてしまったんじゃないかと?
●いや、そういうことではなかったんですけども(笑)――とにかく凄いキツいキャンペーンのスケジュールだったんですね。で、「ここからが新曲の作曲期間だ」って決めてはいたけど、「こういうラジオ局が是非にと言ってくれてるから行かなきゃ」みたいな感じを繰り返している内に…アーティストとしての美紗子は、「行っちゃいけない」って思うものの、一曲でも多くの人に私の歌を聴いて欲しいという気持ちがアダになって作曲期間が縮んでいっちゃって。で、気がついたら作曲期間が一ヶ月しかなかったんですよ。


◆仕事をこなしながらの作曲活動は出来ないということですね?
●あ、書けるような出来事があったら、どんな時にでも書けるんですけど…例えば、凄く悲しい情景を見たとして、それによって凄く書きたいと思っても、ライヴが入っていると絶対に書けない。そうこうすると、書きたいと思うその感情は消えて行く――仕事のせいとかスケジュールのせいとかにしているけど、そうやって色んな人からの誘いを断らなかったのも自分だし、アーティストとしてもダメだったなと思うけど、逆に妥協して作った曲を出すべきじゃないとも思ったんですね。でまあ、いろんな葛藤がありつつ、すべての曲を一ヶ月間で作らなきゃダメだって言われ、リリースにも間に合わせたいとは思ったけど、絶対無理だとも思ったし…。


◆で、延期も考えたと?
●あ、はい(笑)。だって、その一ヶ月の間に色んなことが起こるわけがないし、毎日感情が高ぶっていたら大変だし…「絶対に書けない。だけど待っている人の為にもリリース日には間に合わせたい」ってノイローゼ気味になったところで生まれた曲があったり、ラヴソングはたまたまその一ヶ月の中で起こった出来事だったり…結果的にアルバムは完成しましたけれどね。


◆じゃあ、ラッキーだったとしか言えないという?
●うん。これからは、ちゃんとしなきゃなって思ったし…そういう意味では今回、こういう風にアルバムが出来たのは奇跡だったと思う。


◆アルバムを代表する曲で、シングルにもなった『The Stone』がありますが、ピアノとメロディと歌詞の良さをマッチさせた小谷さんの王道の曲ですね?
●はい。小谷美紗子=『The Stone』と思われてもいいくらいの私が演りたい音楽のひとつだし、曲だけ聴かれてもOKだし詞だけを読まれても全然OKだっていう曲です。


◆『The Stone』は、恋愛に於ける幸せの絶頂感を石のまま封印してしまいたい。だから、別れを選択するという歌ですが――私は少し理解に苦しむのですが?
●(笑)何かね、好きな人と1〜2年一緒にいると、どんどん新鮮さがなくなってくると思うし…ましてや結婚して何年も一緒にいたら新鮮さなんて全くなくなるというのは当たり前なのかもしれないけど、喧嘩をしたりすると、どんどん新鮮さは薄れていくし…私は、まだ好きな人とは新鮮さを保っていたいっていうのがあって。で、そこで考えられる手段というのは離れ離れになるのが一番いいんじゃないかなって。「釣った魚に餌はやらない」っていう男性が多いと思うんですけど(笑)、実はこの曲やアルバム『i』に収められたラヴソングは、好きな人に対する、半ばおどしにも近い曲が多いですね(笑)。


◆(笑)そうでしたか。でも、いろいろあったようですが、非常に小谷美紗子らしいメロディと歌詞が詰まったアルバムですね?
●はい(笑)。今回のアルバム『i』は、そういう感じで受け取ってもらえるのが一番嬉しいし、変に妥協しなくて良かったと思いますね。


◆さて、アルバムのリリース後は初のツアーが決定していますが?
●最初、「外人バンドをバックにつけよう」とかってスタッフの中で言う人がいて――ロスでのレコーディング・メンバーだったらOKなんですけど、要するに見かけで外人にしようっていうことでオーディションをしたんですけど…確かにうまいんだけど、「これだったら弾き語りでやった方がいい」みたいな感じだったんでバンドは止めました(笑)。で、私が昔から大好きだった弾き語りのギタリストの方と、その人と一緒に演っているパーカッションの方と3人で演ろうと思います。で、ピアノが2台用意できる所には、プロデューサーの佐藤準さんが来て弾いて下さることになっていますよ。

 Fin

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